ドラマ『ガンニバル』シーズン2考察&感想。恒松祐里の妖艶さに溺れる…”銀”の狂気に最も“あてられて”しまったのは?【ネタバレ】
text by まっつ
「あなたの常識が、食われる」。ドラマ『ガンニバル』シーズン2が3月19日より、ディズニープラス スターにて配信中だ。本作は、閉ざされた村社会で常識が揺るがされるヴィレッジ・サイコスリラー。さっそく現時点で公開中の5話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
銀(恒松祐里)の狂気の計り知れなさ
1話~4話まで猛スピードで駆け抜けてきた『ガンニバル』シーズン2。第5話では、神山正宗(橋爪功)の口から後藤家の起源とも言われる話が明かされ、いよいよ過去編がスタートする。
当時の、後藤家の当主を務めていたのが後藤金次(豊原功補)。実質的な支配に及んでいたものの、現在の供花村のように後藤家が完全に村の上に立つような支配関係があったわけではなかった。
そこで村と後藤家の間を取り持ったのが、正宗の父親で来乃神神社の当時の宮司である神山吉宗(テイ龍進)。彼の力をもってして、後藤家はどんどんと村の中での勢力を強めていくこととなる。
その中で、現代の後藤家ではキーパーソンとなっていた後藤銀だが、1949年時点での存在感は薄い。というより、家族に虐げられ、村の中でも異質の存在として忌み嫌われていた。
血を重要視する後藤家において、後藤銀(恒松祐里)は誰の子かわからないという出自の問題はある。ただ、それ以上に彼女が持つ狂気の計り知れなさが周囲を遠ざける結果となったのではないか。彼女が何を考えていて、何を目的として動いているのかはきっと彼女しか答えを持っていない。周りの人間は行動心理が理解できないから、忌避することで防衛策としていたのではと推察してしまう。