原作・東野圭吾『クスノキの番人』アニメーション映画化決定! 東野圭吾&伊藤智彦監督のコメント公開
2020年に発行され、先日発行部数が累計100万部を突破した小説「クスノキの番人」(実業之日本社文庫刊)が、東野圭吾の原作作品として初のアニメーション映画化される。2026年に劇場公開を予定している本作より、原作者の東野圭吾と伊藤智彦監督からコメントが寄せられた。(文・編集部)
東野圭吾「私の空想力をはるかに超えた映像作品」
巧みなプロットや深い人間描写で知られ、ミステリーからヒューマンドラマまで幅広いジャンルで読者の心を掴んできた日本最高峰の小説家・東野圭吾。これまで数多くの名作を世に送り出し、自身の書作の累計発行部数が1億冊超を記録。映像化された作品はいずれも高い評価を受けている。
監督として映像化の舵を取るのは、アニメ『ソードアート・オンライン』(2012~)シリーズや、オリジナル劇場アニメーションとし話題となった『HELLO WORLD』(2019年)などで幅広い層から支持を集める伊藤智彦監督だ。そして、アニメーション制作は、アニメ『マッシュル-MASHLE-』(2023)や『リコリス・リコイル』(2022)、映画『かがみの孤城』(2022)等、洗練された技術力とクリエイティブな作品づくりが日本国内外で高い評価を得ているA-1Picturesが卓越した映像美で物語を描き出す。
【東野圭吾】
小説を書く手法は作家によってそれぞれだと思いますが、私の場合、まずは頭の中で映像を思い描き、それを文章化していきます。だから作品の舞台となる土地には必ず参考にした場所があり、登場人物たちにもモデルがいることが多いです。『クスノキの番人』も、そのようにして書き上げた作品ですが、いつも以上に空想力を必要としました。
超自然的な現象が頻繁に出てくるからで、実写化するのは難しいだろう、と執筆しながら考えていました。アニメーションになれば素晴らしいのでは、との思いが出てきたのはそ ういう流れからです。このたび、その夢が実現することになり、心よりありがたく感じております。私の空想力をはるかに超えた映像作品となっているに違いなく、今から楽しみにしています。
【伊藤智彦監督】
人はあっけなくいなくなるし、現状が永遠に続くことなんてあり得ない。ここ数年で自分が強く考えていることです。個としての人間はとても脆弱で、遺伝子を残すという方法でそれを乗り越えようとしているのが動物的な対策なのだと思います。自分も40歳を過ぎ、残される側から残す側の気持ちを分かるようになってきました。それは単なる遺伝情報ということではなく、技術や精神性などといったことに関してもです。
この映画を通して『今の自分を形作っているものに感謝を告げる』。これが今回の自分の目標です。それは両親に、ということだけでなく普段関わっている人や昔お世話になった人、一瞬だけ現れてはいなくなった人もまるっと全てに。そしてこの気持ちを次の世代にバトンを送りたい、そう考えています。
【作品情報】
監督:伊藤智彦
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
公式サイト
公式X
#クスノキの番人
【関連記事】
犬の“さくら”の演技がスゴい…原作との比較にみる映画版ならではの魅力とは? 映画『少年と犬』考察&評価レビュー
「漫画原作」が気を吐いた冬ドラマ…最も面白かった作品は? 原作を換骨奪胎した各ドラマの魅力を徹底解説
史上最恐の「日本のヤバい村」映画は? おぞましい怪作5選。陰湿すぎる…背筋が凍るほど恐ろしい作品をセレクト
【了】