日本映画史上「最も面白い続編」は? 大成功の続編邦画(1)完成度が高すぎる…世界に誇る国宝級アニメは?
映画のシリーズ化は、映画ビジネスにおける“勝利の方程式”の最たるもの。一方で続編の製作には、作品を前作に匹敵する、あるいは凌駕するクオリティに仕上げなければならないというプレッシャーが付き物だ。今回は、そんな高いハードルを超えて、観客を魅了した「最高の続編日本映画」をセレクト。魅力を紐解いていく。第1回。(文・村松健太郎)
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『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993)
監督:押井守
脚本:伊藤和典
キャスト:冨永みーな、古川登志夫、大林隆之介、榊原良子、池水通洋、二又一成、郷里大輔、千葉繁、阪脩、西村知道、仲木隆司、立木文彦、安達忍、小島敏彦、大森章督
【注目ポイント】
『攻殻機動隊』(1995~)などで知られる押井守監督作品。1989年の『機動警察パトレイバーthe movie』に続く劇場版第2作。
“レイバー“と呼ばれる人型ロボットとそれに関わる個性豊かなキャラクターたちの活躍を描く“パトレイバーシリーズ”。本作では原案と漫画版を担当したゆうきまさみ、メカニックデザインの出渕裕、キャラクターデザインの高田明美、脚本の伊藤和典、そして監督の押井守を加えた製作者集団“ヘッドギア”が前作に続いて全員参加している。
1作目ではコンピューターウィルスによって暴走するレイバーとそれに対応するパトレイバー(警察に所属するパトロールレイバー)小隊の奮闘を描いたが、続編となる本作は、一発のミサイルで日本に“見えない戦争”を仕掛けるテロリスト集団との戦いを描いている。
製作当時の近未来であり、今となっては過去の時代である2002年の物語だが、テーマは非常に今日的であり、現代を予見していると思われる描写も散見できる。
『機動警察パトレイバー2 the movie』(1993)は、前作よりもパトレイバーの活躍は控えめで、メインキャラクターの人間性を深掘りしている。そのため、アクションもさることながら、人間ドラマとしての完成度が高い作品となっている。
ちなみに2014年に作られた実写版『THE NEXT GENERATION パトレイバー首都決戦』(2015)は本作の後日談的なストーリーが展開されている。興味のある方はチェックしてほしい。
(文・村松健太郎)
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