実話はもっと悲惨…? 実在の行方不明事件を描いた衝撃映画(3)番組収録中に殺人を告白…歯切れが悪い結末は?
「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるが、この世には信じ難い事件が数多く存在する。そしてそういった事件は度々映画やドラマの題材になってきた。今回は実際に起きた行方不明事件をテーマにした作品を5本セレクト。事件の内容と合わせて紹介する。第3回。(文・阿部早苗)
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犯人は夫? 未解決の妻失踪事件
『幸せの行方…』(2010)
監督:アンドリュー・ジャレッキー
キャスト:ライアン・ゴズリング、キルスティン・ダンスト、フランク・ランジェラ、クリステン・ウィグ、フィリップ・ベイカー・ホール、ダイアン・ヴェノーラ
【作品情報】
大富豪の御曹司デヴィッドと愛情深い家庭で育ったケイティは惹かれ合い、周囲の反対を押し切って結婚。田舎で暮らし始め、ケイティは妊娠する。しかし、子を望まないデヴィッドは彼女に中絶を強要するのだった…。
【注目ポイント】
実在する未解決事件をモチーフに描いた映画は数多い。未解決がゆえにラストもはっきりしない展開がほとんどだ。2010年に公開された『幸せの行方…』もそんな作品の一つである。
疑惑の夫を演じたのはライアン・ゴズリング。失踪する妻をキルスティン・ダンストが演じている。主人公デヴィッド・マークス(ライアン・ゴズリング)は、ニューヨークの大富豪サンフォード・マークスの長男。彼は父の反対を押し切り、平凡な女性ケイティ(キルステン・ダンスト)と結婚する。
最初は食品店を経営していたが、父に説得されて事業に関わるも成功せず、妻・ケイティとの関係も悪化。やがてケイティが医学部に進学するが、夫婦仲はさらに冷え込み、ついには彼女が謎の失踪を遂げる。
デヴィッドのモデルとなったのが、不動産王セイモア・ダーストの息子であるロバート。映画はデヴィッドの裁判シーンから始まるが、妻がなぜ失踪したのか、真相が明かされないまま幕を閉じ、何とも歯切れが悪い結末となっている。
しかし、映画が公開された5年後、モデルとなった実在の事件は急展開を迎える。
ロバートの半生を描いたドキュメンタリー番組『The Jinx』の最終回で、マイクを外し忘れていたロバートがトイレで「全員殺したんだよ」と独り言をつぶやく衝撃の「自白」が放送されたのだ。
これを受け、ロサンゼルス当局が事件を再捜査。逃亡したロバートは、ルイジアナ州で友人殺害の容疑で逮捕。その後、終身刑を言い渡されるも、3か月後にこの世を去っている。
(文・編集部)
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