映画『ゴーストキラー』評価&考察レビュー。髙石あかりの“役に憑依する力”の凄さとは? 圧巻の戦闘シーンを解説【ネタバレ】

text by 灸 怜太

映画『ゴーストキラー』が現在公開中。本作は、殺し屋の霊に憑依された主人公・松岡ふみか(髙石あかり)が巻き込まれる闇の争いと組織の陰謀を描いている作品だ。今回は、髙石あかりの見事な演技力と迫力満点のアクションシーンに注目しながら魅力を紐解いていく。(文・灸 怜太)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

女子高生が殺し屋のスキルを宿す

©2024「ゴーストキラー」製作委員会
©2024「ゴーストキラー」製作委員会

「世界に一撃(ワンパン)!! 究極アクション」と、日米共同制作で世界配給も決まっているという、野心あふれるバイオレンスアクション作。

 主演は『ベイビーわるきゅーれ』(2021~)で、女子高生殺し屋コンビのひとり、杉本ちさとを演じた高石あかり。その『ベビわる』で監督を務めた阪元裕吾が脚本を担当、アクション監督を務めた園山健介が演出監督も兼任という布陣。『ベイビーわるきゅーれ』の主要スタッフをシャッフルして、新たに作り上げた世界照準作品という位置づけだ。

 高石あかりが演じるのは、本作の主人公となる松岡ふみか。くだらない男たちに囲まれ、ちょっと人生がくすぶっている普通の女子大生なのだが、階段で転んだ拍子に弾丸の薬莢を拾ったことで運命が一変する。この薬莢には、何者かに殺されて命を落とした殺し屋の工藤英雄(三元雅芸)の怨念が籠もっており、それに触れたことでふみかは工藤の霊に取り憑かれてしまう。

 工藤の霊が見えるのは、ふみかだけ。さらに憑依して一体化することで、ふみかの体に工藤の殺人スキルが宿り、闇の暗殺術を体現できるようになる。

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