史上最も泣ける日本のアニメ映画は? 最強の感動作(2)実写版も素晴らしい…屈指のタイムスリップ感動作は?

text by 小室新一

現実から逃避したい時、映画はどこまでも空想の世界に連れて行ってくれる。さらにアニメ映画を選べば、実写映画以上に心を開放させることができるかもしれない。アニメの世界に酔いしれて、心を浄化させてみるのも良いだろう。そこで今回は、もっとも泣ける日本のアニメ映画を5本厳選してご紹介する。第2回。(文・小室新一)

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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(2002)

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』【公式Instagramより】

監督:原恵一
脚本:原恵一
原作:臼井儀人
出演:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ、屋良有作、小林愛、山路和弘、宮迫博之、蛍原徹

【作品内容】

 ある日、家族みんなが綺麗なお姉さんが出てくる夢を見た野原しんのすけとその家族。その翌日に気づいたら、戦国時代にタイムスリップしてしまっていた。しんちゃんたちは戦国の春日部を救い、元の世界に戻ることができるのか。

【注目ポイント】

 劇場版のクレヨンしんちゃんの記念すべき10作目の節目の作品。埼玉県・春日部市に暮らす野原しんのすけとその家族をコミカルに描いた国民的アニメーションである。クレヨンしんちゃんというと、少しおませでスケベな幼稚園児のギャグアニメと捉えている人も多いが、劇場版は感動する作品が多い。中でも、本作と『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』は人気を二分する屈指の感動作である。

 しんのすけ一家が戦国時代にタイムスリップする…という筋書きを持つ本作。面白いのは、過去から元の日常へ帰りたいというしんのすけたちの思いと戦国時代の人々が平和な暮らしをしたいという願いの2つの軸が交わる点である。

 基本的に、劇場版のクレヨンしんちゃんは、予期せぬファンタジーに誘われた世界から、日常を取り戻すのが基本線であるが、本作は日常と日常の組み合わせになっている。そのため、共感できる点が多く、苦労や葛藤が身に沁みやすい。

 また、本作を原作とした実写映画『BALLAD 名もなき恋のうた』も制作されている。この映画は本作と少し異なり、戦国時代サイドに重きを置いており、アニメと併せてみることでより感動が深まるだろう。

(文・小室新一)

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【了】

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