最も面白い宮藤官九郎の脚本ドラマは? TV史に残る名作(2)文句なしで傑作…伏線回収がエグい神ドラマは?
2024年放送のドラマ『不適切にもほどがある!』『新宿野戦病院』で第33回橋田賞を受賞したことで話題の宮藤官九郎。これまでも数々のヒット作を手がけてきた。いつ見ても笑えて泣ける、そしていつまでも色褪せない作品を生み出している。そこで今回は、宮藤官九郎が脚本を務めたドラマを5本セレクトしてご紹介する。第二回。(文・苫とり子)
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クドカンの代表作
『木更津キャッツアイ』(2002)
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、片山修、宮藤官九郎
出演:岡田准一、櫻井翔、酒井若菜、岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史、山口智充、阿部サダヲ、古田新太、小日向文世、森下愛子、薬師丸ひろ子
【注目ポイント】
「クドカンといえば、この作品!」と真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。
実家の理髪店を手伝いながらブラブラとしているぶっさん(岡田准一)、仲間内で唯一大学に進学したバンビ(櫻井翔)、居酒屋を経営する妻子持ちのマスター(佐藤隆太)、実家暮らしで無職のアニ(塚本高史)、神出鬼没で何もかもが謎に満ち溢れたうっちー(岡田義徳)。
高校卒業後、地元の木更津に残った元同級生の5人が繰り広げる奇想天外な日々をユーモアに描いた青春群像劇だ。物語は、ぶっさんが21歳にして悪性リンパ腫で余命半年を宣告されるところから始まる。しかし、シリアスさは皆無。ぶっさんの余命を知った仲間たちは“木更津キャッツアイ”を結成し、昼間は草野球チームとして、夜はなぜか謎の怪盗団として活躍していく。
悪いやつを懲らしめるために盗みをはたらくも、意図せず周りの人たちを救っていく5人。そんな彼らのドタバタな日々は良い意味でくだらなくて、最初にぶっさんの余命が明かされているからこそ尊くも感じられる。
また、本作は構成の面白さも見どころの1つだ。野球の試合にちなんで全9話となっており、1話が表と裏に分かれていているのが特徴。そして表でメインのストーリーが展開されたのち、時間が巻き戻され、裏で何が起こっていたのかが説明される。伏線回収の鮮やかさも感じながら、ぶっさんたちの友情を堪能してほしい。
(文・苫とり子)
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