『しあわせは食べて寝て待て』第4話考察&感想。桜井ユキの演技力、恐るべし…『虎に翼』の”あの人”との再共演に驚いたワケ【ネタバレ】

text by 菜本かな

桜井ユキ主演のNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が現在放送中だ。本作は、病気で人生が一変した主人公が、築45年の団地での人間関係と薬膳との出会いを通して、自分次第のしあわせに気づいていく心温まる物語。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『しあわせは食べて寝て待て』第4話で登場した
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは?

『しあわせは食べて寝て待て』第4話 ©NHK
『しあわせは食べて寝て待て』第4話 ©NHK

 
 ちょっと前までのわたしは、強さと弱さは両立しないと思っていた。年齢を重ねるごとに、「あれ? わたしってちょっと弱いところがあるかも」なんて気づいてしまうことが増えたけど、すべて見て見ぬふりをしてきた。

 自分のなかにある弱さを認めてしまえば、強い自分でいられなくなると思い込んでいたから。でも、昨年12月に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)で、橋本環奈が「弱さに気づいているからこそ、強くありたいなとは思います」と言っているのを見たとき、まさに目からウロコが落ちた。
 
 強さと弱さは両立する。いや、むしろ弱さを認めた上での強さって、めちゃくちゃ強いんじゃないか? と。

 4月22日放送の『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合)第4話で、さとこの仕事仲間・青葉(田畑智子)が言っていた「ネガティブ・ケイパビリティ」も、この考えに通ずる部分があると思う。

 青葉は、「能力って、普通なにかできることを言うじゃない? でも、わたしみたいな人間には。40を超えて、先が見えてきた人間には、できない自分を認める能力の方が必要な気がする」とさとこ(桜井ユキ)に吐露していた。

 ちょっと後ろ向きな発言のようにも思えるが、「社会って生産性や向上心があってこそ認められる場所だから、わたしみたいに頑張れない人間は…」といつも気後れしてしまっていたさとこにとっては、“求めていた言葉”だったのだろう。

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