ドラマ『Dr.アシュラ』第2話考察&感想レビュー。命にまっすぐ向き合う松本若菜が印象的…諦めない心の先にあるものとは?【ネタバレ】
text by 西本沙織
松本若菜主演のドラマ『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)が4月16日(水)より放送開始した。本作は、こしのりょうの同名漫画を原作とした救命医療ドラマ。”アシュラ”と呼ばれる凄腕のスーパー救命医の活躍を描く。今回は、第2話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
「修羅場で迷いは命取りになる」諦めない杏野朱羅(松本若菜)
劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品「ハムレット」に、「人生は選択の連続である」という名言がある。人間は毎日大小いくつもの決断をしていて、その連続の中生きていることを表現した言葉だ。
ときには迷ってもいい、なんて言うけれど、こと医療においてはそうはいかない。「修羅場で迷いは命取りになる」と杏野朱羅(松本若菜)が凄むように、医療の現場では、その0.1秒の差が生死を左右するかもしれないのだから。
『Dr.アシュラ』第2話では、医師たちがさまざまな決断を迫られるさまが描かれた。まず、命の現場に直面したのは研修医の薬師寺保(佐野晶哉)だ。11歳の男児が川へ転落し、心肺停止の状態で運び込まれてくる。保が朱羅のサポートをするため男児の肌に触れると、気を張ってしまうほどに冷たい。それは、男児がそれだけ長時間水の中にいたことを物語っていた。
いくら心臓マッサージを続けても、男児の心臓は止まったまま。心肺停止して1時間。朱羅の催促に迷いながらも「もう無理です、諦めましょう」と中断する保。だが、朱羅はそんな保を突き飛ばし、再び心臓マッサージを繰り返す。
修羅場をさまよう患者を連れ戻すかのように、「まだ生きなきゃ、頑張れ」と声を掛ける彼女の姿は、本人にとってもその家族にとってもどれだけ心強いことだろう。そして同時に、奇跡とは諦めない心の先にあるものなのだと思い知らされてしまう。