「この6人だからこそ生まれた空気感が映っている」映画『6人ぼっち』中山ひなの、インタビュー。役づくりと今後の展望を語る

text by ばやし

映画『6人ぼっち』が5月2日(金)より公開される。本作は、修学旅行をきっかけに行動を共にすることになった6人の“1人ぼっち”が織りなす青春ストーリー。今回は、おとなしく気の弱い女子高生・山田ちえを演じた中山ひなのさんにインタビューを敢行。役作りや、本作を通して絆が深まったという共演者との交流など、たっぷりとお話を伺った。(文・ばやし)

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【著者プロフィール:ばやし】

ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。

「まるで学生のころに戻ったようだった」撮影現場を振り返って

中山ひなの 写真:武馬怜子
中山ひなの 写真:武馬怜子

―――本作は、クラスで班決めをするときの独特な緊張感だったり、他の班と一緒に居合わせたときの気まずさだったり、高校生が感じているリアルな雰囲気を味わえる作品だと感じました。脚本を読んだときの率直な感想を聞かせてください。

「6人もメインキャストが登場するにもかかわらずキャラクターそれぞれの個性が立っていて、それでいてストーリーも明確で面白いと思ったのが最初の印象です。あとはやっぱり、“ぼっち”に焦点を当てているのが驚きでしたね」

―――中山さんも数年前までは役柄と同じ高校生だったと思いますが、懐かしい気持ちはありましたか?

「冒頭の教室のシーンは、メインキャストが一堂に会して、“ぼっち感”は残しつつも活気ある雰囲気での撮影でした。学生時代を思い出して懐かしかったです。制服を着ていたので、みんな本当の学生みたいで」

―――キャストも同世代の方が多かったですよね。現場の雰囲気はいかがでしたか?

「初日はまだバラバラでしたが、撮影が進んでいくにつれてどんどん距離が縮まっていきました。やっぱり年の近い役者さんが多かったので、全体的に明るくて和やかな現場でした。映画自体は“ぼっち”がテーマなんですけど、実際はみんなすごく仲が良くて(笑)。

撮影中は大変なことも多かったですけど、全員で話し合いながら作品を作り上げていくことができました。あらためて同世代の人たちとガッツリ共演できたのはうれしかったですね」

―――同世代のキャスト以外だと、お笑いコンビ「かが屋」の賀屋さんが教師役で出演されていて、アドリブのような台詞回しが印象的でした。

「現場は本当に大爆笑でした。賀屋さんは間の取り方が本当に上手で、みんな素で笑っちゃって(笑)。言葉の出し方もすごくナチュラルですし、勉強になりました。また別の作品でコメディシーンがあるときには活かしたいです」

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