バラエティ番組でお馴染みの音楽、意外な元ネタは?(5)『世界まる見え!』で使用されている名作映画の音楽は?

text by 編集部

総合芸術たる映画には、さまざまな要素が含まれている。音楽もその一つだろう。古今東西、映画には、さまざまな名曲が使われてきた。そこで今回は、バラエティ番組で使われている映画音楽を5本セレクト。現在放送中の番組に的を絞って紹介する。第5回。(文:編集部)

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華やかな海外を象徴する華麗な音楽

『世界まる見え !テレビ特捜部』→『聖林ホテル』(1937)

北野武監督
北野武監督【Getty images】

監督:バスビー・バークレー
原案:ジェリー・ウォルド、モーリス・リオ
出演者:ディック・パウエル、ローズマリー・レイン、ローラ・レイン、ヒュー・ハーバート、テッド・ヒーリー、グレンダ・ファレル

【作品内容】

 サックス奏者で歌手のサックス奏者で歌手のロニー・バワーズ(ディック・パウエル)は、オール・スター・ピクチャーズとの10週間の契約のため、ハリウッドに向かうことに。空港に向かったロニーは、元雇用主のベニー・グッドマンらが演奏する「ハリウッド万歳」を聴きながら、ハリウッドへと旅立った。
 
 一方、ハリウッドでは、気難しいスターのモナ・マーシャル(ローラ・レイン)が、欲しかった役を他の女優に取られたことに苛立ち、映画のプレミアへの出席を拒んでいた。

【注目ポイント】

 1985年のプラザ合意に伴う急激な円高により、海外旅行が大衆化した1990年代初頭。この時代に一つの番組が始まった。『世界まる見え !テレビ特捜部』(日本テレビ系)だ。

 ビートたけしと所ジョージという芸能界の二枚看板を司会に配した本番組は、海外の番組を購入して紹介するというスタイルで、配信やインターネット番組がまだなかった当時、大きな人気を博した。
 
 さて、本番組では、放映開始当初から現在に至るまで、オープニングとエンディングにとある楽曲が使われている。それが、『聖林ホテル』の主題歌、「ハリウッド万歳(Hooray for Hollywood)」だ。

 華やかなブラスセクションと打楽器の軽快なメロディが魅力の本曲は、「Ain`t We Got Fun?」などで知られる作曲家リチャード・A・ホワイティングによる定番のジャズナンバー。ハリウッド黄金期を象徴する楽曲としてさまざまな作品で使用されてきた。
 
 そんな本曲だけに、ドキュメンタリーからエンタメまで、グローバルな視点からさまざまな映像を一緒くたに紹介するという本番組のグローバルなコンセプトにぴったりと当てはまる。さしずめ「映像による万国博覧会」といったところだろう。
 
 なお、この楽曲、現在もアカデミー賞授賞式のBGMとして使用されており、ハリウッド黄金期を象徴する文化的アイコンとして確立されている。

(文・編集部)

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