『続・続・最後から二番目の恋』に込められた2つのメッセージとは? 飯島直子の”説教”が胸に響くワケ。第4話考察&感想【ネタバレ】

text by 菜本かな

小泉今日子&中井貴一がW主演のドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が現在放送中。古都・鎌倉が舞台のロマンチック&ホームコメディ。前作から11年を経て、相変わらずの二人の距離感で流れゆく人生を見つめる。今回は、第4話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

成長の中にある切なさと怖さ

『続・続・最後から二番目の恋』第4話 ©フジテレビ
『続・続・最後から二番目の恋』第4話 ©フジテレビ

 小さい頃、大人になるのが怖かった時期がある。ずっと子どもでいたい。親離れなんてしたくないと思っていた(その数年後、無事に反抗期を迎えるわけだが…)。

 だから、千明(小泉今日子)に「わたしという親から、親離れしようとしているのかもしれないね」と言われた万理子(内田有紀)が、「嫌です! そんな成長などしたくないです! 断固拒否です! 成長して千明さんから離れるくらいなら、嫌です!」と泣きわめいていたのを見て、ちょっぴり懐かしい気持ちになった。

 たしかに、親離れって響きには、どこか切なさや怖さがある。もう二度と子どもには戻れないと言われているようで。

 でも、千明が「成長っていうのはさ、したくてするもんじゃないの。勝手にしちゃうもんなのよ。生きていれば。だから、止められないの」と言っていたように、わたしたちは永遠に子どもでいることはできない。いつか、親離れをして独り立ちをしなければならない日がやってくる。

 今まで、万理子は“千明のために”物語を生み出してきた。だって、脚本家になるきっかけを与えてくれたのも、書き続ける原動力になってくれたのも、千明だったから。

 しかし、最近になって“自分のために”書きたいという気持ちが、潜在意識のなかでむくむくと成長してしまったらしい。何が悲しいのかさっぱり分からないのに、なぜか涙が止まらないのは、千明を裏切ってしまっているような感覚になったからではないだろうか。

 これは、わたしたちが経験する親離れにも通ずる感覚かもしれない。ずっとそばにいてくれた親から遠ざかっていくのは勇気がいるし、置いていってしまうような罪悪感もある。だからこそ、千明が万理子の親離れを「一緒にお祝いしようね」と言ってくれた時、わたしの心までスーッと晴れていくような感じがした。

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