実は名作パロディの宝庫…映画マニアこそ楽しめる理由とは? 映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』考察&評価レビュー
text by 前田知礼
映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が公開中。Travis Japanの松田元太や髙石あかりが声優を務める本作は、1978年の発売開始から世代を超えて愛され続けるギンビス社の動物型ビスケットを映画化した作品だ。今回は、本作のレビューをお届けする。(文・前田知礼)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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お菓子原作という新しい試み
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の冒頭、配給会社のクロックワークスとTBSアニメのロゴに続いて、『トムとジェリー』のオープニングロゴのライオンのように、こぐまをモチーフにしたギンビスのロゴがどーんとスクリーンに現れる。
そう、今作の原作者はお菓子メーカーの「ギンビス」。小説でも漫画でもアニメでもなく“お菓子が原作の映画”なのだ。原作について詳しく知りたい方は、5年前に書いた記事に詳細を書いているので、ぜひ読んでみてください。(一部ネタバレを含みます)
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の画期的な点は、“お菓子のパッケージのキャラクターの映画”ではなく“お菓子そのものの映画”になっているところだろう。メインビジュアルのどうぶつたちは、カラフルでポップなアニマルであると同時に、“英語の書かれた動物型のビスケット”の顔を持っており、どうぶつ本人たちも「お菓子である」ことを自覚しながら生きている。