映画『女神降臨』大人こそ見るべきワケ。Kōki,の完璧な美しさの中にみえる「隙」とは? 考察&評価レビュー

text by 苫とり子

映画『女神降臨 After プロポーズ編』が現在公開中だ。本作は、韓国発の人気WEBコミックを実写映画化した2部作。今回は、前編『Before 高校デビュー編』の内容を振り返りつつ、主演のKōki,、共演の渡邊圭祐、綱啓永の魅力を紐解く。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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ルッキズムが深刻化する今、届けたい物語

©映画「女神降臨」製作委員会
©映画「女神降臨」製作委員会

 2018年から「LINEマンガ」で連載され、46ヶ月連続で読者数ランキング1位を獲得、2021年の女性編年間ランキングで第 1位となった韓国発の人気WEBコミックを実写映画化した2部作の後編『女神降臨 After プロポーズ編』が5月1日に公開された。

 本稿では、前編『女神降臨 Before 高校デビュー編』の内容を振り返りつつ、主演のKōki,、共演の渡邊圭祐、綱啓永の魅力をそれぞれ紹介したい。

 主人公の麗奈(Kōki,)は地味で冴えない容姿から学校でいじめられ、不登校に。自室に引きこもり、大好きなホラー映画を観るだけの日々を送っていたが、たまたま流れてきた動画でメイクの魅力にどっぷりとハマる。独学でメイク技術を身につけ、麗奈は知り合いが誰もいない高校で再出発するのだった。

 メイクの力で、誰もが振り向く“女神”に大変身を遂げた麗奈は新しい学校で友達ができ、2人の魅力的な男性から恋心を寄せられることになる。筋書きだけを聞くと、「結局は見た目が全て」と思うかもしれないが、本作が届けるのは真逆のメッセージだ。

 メイクが与えるのは、人生を切り開いていくためのきっかけに過ぎない。前の学校で受けたいじめのせいで自己肯定感を失っていた麗奈がメイクのおかげで少しだけ前を向けるようになる。

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