映画史上最も衝撃的な最期を遂げた俳優は? 夭折のスター(3)人気絶頂だったときに悲劇が…伝説の若手俳優とは?

text by 阿部早苗

若くしてこの世を去りながらも、永きにわたり世界の人々に愛され続ける者たちあり。革新をもたらした武術の使い手、魂を揺さぶる演技を見せた俳優たち、繊細な心を映した表現者――その生き様は、時を越えてなお輝きを失わぬ。今回は惜しまれつつも若くして命を落とした伝説のハリウッドスターを5人セレクトし、魅力を解説する。第3回。(文・阿部早苗)

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将来が嘱望されていた伝説の若手俳優

リヴァー・フェニックス

リヴァー・フェニックス【Getty Images】
リヴァー・フェニックス【Getty Images】

 今も世界中に多くのファンを持つ伝説的な俳優、リヴァー・フェニックス。1970年8月23日、アメリカ・オレゴン州に生まれた彼は、デビューからわずか1年で不朽の名作『スタンド・バイ・ミー』(1986)に出演し、一躍その名を世に知らしめた。

 その後も『旅立ちの時』(1988)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)、『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)といった話題作に次々と出演し、若きトップ俳優として存在感を放ち続けた。

 特に『旅立ちの時』では、感情を抑えた繊細な演技が高く評価され、アカデミー賞助演男優賞にノミネート。さらに『マイ・プライベート・アイダホ』では、同性愛者でナルコレプシー(睡眠発作)を抱えるストリートキッドという難役を見事に演じ切り、ヴェネツィア国際映画祭で主演男優賞を受賞した。

 整った容姿に加え、内面からにじみ出る繊細さや、どこか影をまとった雰囲気が唯一無二の魅力を放ったリヴァー・フェニックス。その真摯な人柄は、俳優業だけにとどまらず、動物愛護や環境保護への深い関心にも表れていた。

 しかし、人気絶頂だった1993年10月31日、悲劇が訪れる。わずか23歳、薬物の過剰摂取により突然この世を去ったのだ。その早すぎる死は、世界中に深い悲しみと衝撃をもたらした。

(文・阿部早苗)

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【了】

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