フランソワ・オゾン監督最新作『秋が来るとき』女優リュディヴィーヌ・サニエが、オゾン監督との20年ぶりのタッグについて語る
フランス映画の巨匠フランソワ・オゾンの監督最新作『秋が来るとき』。本作は、フランス・ブルゴーニュの秋を舞台にした人生ドラマとなっている。5月30日(金)より新宿ピカデリー、TOHOシネマズシャンテほか全国公開となる本作より、主人公を演じた女優エレーヌ・ヴァンサンのオフィシャルインタビューが公開された。(文・編集部)
「腹黒い人物を演じるのは私にとって快感でした」
本作は、『焼け石に水』(2000)、『8人の女たち』(2002)、『スイミング・プール』(2003)など、カンヌ、ベルリン映画祭の常連、フランス映画の巨匠フランソワ・オゾンの監督最新作だ。
主人公ミシェルを演じたのは、映画、舞台でも活躍するベテラン女優エレーヌ・ヴァンサン。その親友役に、ジョジアーヌ・バラスコ。その息子役にサン・セバスティアン国際映画祭で助演俳優賞を受賞したピエール・ロタン。日本でも大ヒットを記録した『スイミング・プール』のリュディヴィ−ヌ・サニエも2003年以来、約22年ぶりに出演。新旧のオゾン・ファミリーが一堂に会し、熟練した演技を魅せる。
オゾン監督との久しぶりの再会について「オゾン監督と3作品ご一緒した後に、私たちはお互いに別々の道を歩みました。そして、今回再会するまでの時間は必要だった様に思います。その間何度かオファーはあったんですよ。ただ、私がやりたくても彼がちょっと違うなとか、彼が私と一緒にやりたくても、私の方がちょっと違うなとか、そういったすれ違いがあって、少し交流自体が途絶えていた時もありました。そんな時、突然ランチに誘われて。仕事の話はしなかったのですが、楽しい時間を過ごしました。その日の夜にエージェントからあなたに演じてもらいたい役があるという話を聞いたのです。古い友達と出会えたことと、そしてまた一緒に仕事ができるということで、二重に嬉しかったです」ときっかけについて語った。
オゾン監督自身については「オゾン監督は、本当に女性の映画作家だなという風に思うんです。非常に複雑な女性性やヒューマンな女性像を描きながらちょっと面白い話をフューチャーしていて。彼は女性というそのものをカメラに収めている。それが年齢関係なくというのが素晴らしいのです。やはり歳がいった女性はスクリーンから遠のいてしまうことが多い中で、彼は進んでそういったシニアを主人公に添える、そういった中では女性を描く先進的な精神をもった監督かなと思います」と評価した。