なぜドラマ『対岸の家事』に救われる人が多いのか? 好調の理由を徹底解説&考察。タイトルに込められた意味とは?【ネタバレ】
text by 於ありさ
ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)が、反響を呼んでいる。本作は専業主婦の主人公が、生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかりながら繋がっていく物語。今回は、ドラマ後半戦に向けて本作の魅力を紐解く。(文・於ありさ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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『対岸の家事』は「私」と「あなた」の物語
『対岸の家事』が話題を呼んでいる1つの理由に、これは誰かの物語ではなく、私たち、もしくはそのすぐ近くにいる「あなた」の物語だからなのではないかと筆者は感じている。
月並みな言葉だが、生きていれば、いいことばかりではない。
例えば、4話で登場した子作りプレッシャーに悩む晶子(田辺桃子)。彼女は、元保育士で、内科医との結婚をきっかけに退職。周りからはセレブな暮らし、若くして結婚したこと、容姿端麗なさまなどを「なんでも持っている」と言われていた。
しかし、彼女は人知れず悩んでいた。自分が今するべきことは、病院の後継となる子どもを産むこと。そうはわかっているものの、それは自分の意志なのかと疑念を持っているように見えた。
あげく上手くいかない妊活、義母、または病院に足繁く通う患者たちからのアドバイスやプレッシャー…。よく、自分の将来について考えるときに「敷かれたレールの上」と表現することがあるが、晶子はまさにそのレールを歩んでいるように筆者の目には映った。