『しあわせは食べて寝て待て』第7話考察&感想レビュー。桜井ユキ“さとこ”が団地に見出した希望と幸せの指針とは? 【ネタバレ】
text by 菜本かな
桜井ユキ主演のNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が現在放送中だ。本作は、病気で人生が一変した主人公が、築45年の団地での人間関係と薬膳との出会いを通して、自分次第のしあわせに気づいていく心温まる物語。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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鈴さん(加賀まりこ)からの提案
「今、あなたが使ってるお部屋、あなたにあげる」
鈴さん(加賀まりこ)の衝撃発言から幕を開けた『しあわせは食べて寝て待て』第7話。どうやら、鈴さんはさとこ(桜井ユキ)が借りている部屋を、300万円で購入したらしい。だから、「いただいたお家賃が合わせて300万になった時、あなたにあげたいの」と言い出した。
もちろん、さとこにとって、悪い話ではない。衣食住のなか、“住”の心配をしなくてよくなるだけで、気持ち的にもかなりラクになるはずだ。ただ、鈴さんから部屋をもらってしまったら、さとこは団地に永住することになる。ちょっと前まで移住を考えていたくらいなのに、すぐに「いただきたいです」と答えられるはずがない。
しかも、永住するとなると、考えなくてはならないことも増える。たとえば、12年に1度行われる大規模修繕のこと。つい最近、わたしの実家でも大規模修繕が行われていたのだが、家がずっとシートに覆われる生活というのは、かなりストレスがかかるようだ。近所には、「大規模修繕の前に引越しをしたい」と言っていた人もいたらしい。
また、さとこが暮らす団地はかなり老朽化しているため、12年後どうなっているか分からない。もしかしたら、大規模修繕では事足りず、建て替えになる可能性だってある。そうなったら、追加の料金がかかってしまうことに。住居というのは、修繕が必須。自分のものになったら終わり…というわけではないから、むずかしい。