ドラマ『Dr.アシュラ』第5話考察&感想レビュー。小雪の存在感が役と重なる…“ナオミ”に胸を打たれたワケ【ネタバレ】
text by 西本沙織
松本若菜主演のドラマ『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、こしのりょうの同名漫画を原作とした救命医療ドラマ。“アシュラ”と呼ばれる凄腕のスーパー救命医の活躍を描く。今回は、第5話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
治療を拒む患者にどう向き合う?
あまたの修羅場から患者の命を救ってきた杏野朱羅(松本若菜)。これまで朱羅がみてきた患者は、生死の境をさまよう者、助けてくれと懇願する者、彼女を指名する者など、そのすべての患者の命に精魂注いで向き合ってきた。けれど、もしも患者が治療を希望しなかった場合は…?回を追っていくごとに、ゆるやかに気になっていた点である。
本回でメインとなったのは、学生のバイオリニスト・佐竹里穂(秋田汐梨)のケース。医者が患者にどれだけ深く立ち入るべきなのか、考えさせられるエピソードでもある。指先にチアノーゼが起こり、いつ急変してもおかしくない状態で運ばれてきた里穂。しかし、彼女は10日後にコンクールが迫っているからと、治療を拒んでしまうのだ。
新しく救急科にきた形成外科医・六道ナオミ(小雪)は、医者には患者に治療を強制する権利はないと、彼女の意思を尊重する。だが、朱羅は追いかけてでも里穂を治そうとした。最低でも退院に2週間かかるところを、難易度の高いMICS(低侵襲心臓手術)を選択することで、彼女の希望を叶えようと奮闘する。