映画史上最も衝撃的な最期を遂げた俳優は? 夭折のスター(4)人気絶頂の最中…非業の死を遂げた若きカリスマは?

text by 阿部早苗

若くしてこの世を去りながらも、永きにわたり世界の人々に愛され続ける者たちあり。革新をもたらした武術の使い手、魂を揺さぶる演技を見せた俳優たち、繊細な心を映した表現者――その生き様は、時を越えてなお輝きを失わぬ。今回は惜しまれつつも若くして命を落とした伝説のハリウッドスターを5人セレクトし、魅力を解説する。第4回。(文・阿部早苗)

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非業の死を遂げた若きカリスマ

ジェームズ・ディーン

ジェームズ・ディーン
ジェームズ・ディーン【Getty Images】

 人気絶頂の最中、わずか24歳でこの世を去った伝説の俳優、ジェームズ・ディーン。1931年2月8日、アメリカ・インディアナ州に生まれた彼は、『エデンの東』(1955)、『理由なき反抗』(1955)、『ジャイアンツ』(1956)の3作で主演を務めた。わずか3作品ながら、すべてが映画史に燦然と輝く名作として語り継がれている。

 なかでも『理由なき反抗』では、社会や大人たちに反発する若者の心情を体現し、当時のティーンエイジャーたちから絶大な共感を集めた。スクリーンに映し出される憂いを帯びた表情、内に秘めた情熱、繊細で危うい演技は、多くの人々を強く魅了した。

 しかし、彼が名声を手にしようとした矢先、悲劇は訪れる。1955年9月30日、『ジャイアンツ』の撮影を終えた直後、愛車ポルシェ・550スパイダーに乗り、カーレースに向かう途中のカリフォルニア州で交通事故に遭遇。帰らぬ人となった。享年24歳――あまりにも早すぎる別れだった。

 遺作となった『ジャイアンツ』は、彼の死後に公開され、アカデミー主演男優賞にノミネートされる栄誉を受けた。また、日本でジェームズ・ディーンの作品が公開されたのも、彼の死後のことだった。

 彼の早すぎる死は、その才能とカリスマ性を惜しむ声を世界中に響かせ、今なお伝説的な存在として、熱烈な支持を集め続けている。

(文・阿部早苗)

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【了】

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