カンヌ常連ウェス・アンダーソン監督の演出は別格だった! 出演者しかわからない緻密な仕掛けに「もう神聖な場所」
text by 編集部
ウェス・アンダーソン監督の最新作『The Phoenician Scheme (ザ・フェニキアン・スキーム)』が、第78回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、約6分半にわたるスタンディングオベーションを受けた。主演を務めたミア・スレアプレトンは感極まり、満面の笑みとともに涙をこぼした姿が話題となっている。(文・編集部)
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舞台裏の体験までこだわるアンダーソン演出
『ザ・フェニキアン・スキーム』の上映後、約6分半にわたるスタンディングオベーションが会場を包み込んだ。感極まった主演のミア・スレアプレトン(母はケイト・ウィンスレット)は、目に涙を浮かべながら微笑み、拍手に応えた。
フランス・パリを拠点とするアンダーソンは、作品だけでなく舞台裏の体験まで緻密に演出することでも知られる。出演者たちは市内の高級ホテルではなく、カンヌから1時間ほど離れたエズの隠れ家のようなホテルに宿泊しているとの噂もある。
出演者のスカーレット・ヨハンソンは以前のインタビューで「まるで聖域のような場所で、あの経験を知ってしまったら、もう街中のホテルには戻れない」と語っていた。
レッドカーペット到着時にも個性が光った。多くのスターが黒塗りのセダンで現れるなか、アンダーソン一行は貸切バスで登場。最前列にはビル・マーレイが座り、スレアプレトンはエメラルドグリーンのドレスをたくし上げながらバスを降りた。カンヌ常連が魅せる粋な演出に、ファンも大盛り上がりだったようだ。
(文・編集部)
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