『しあわせは食べて寝て待て』第8話考察&感想レビュー。“普通”に拘らない、団地で叶えるそれぞれのしあわせとは?【ネタバレ】

text by 菜本かな

桜井ユキ主演のNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が現在放送中だ。本作は、病気で人生が一変した主人公が、築45年の団地での人間関係と薬膳との出会いを通して、自分次第のしあわせに気づいていく心温まる物語。今回は、第8話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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“普通”の生き方

『しあわせは食べて寝て待て』第8話 ©NHK
『しあわせは食べて寝て待て』第8話 ©NHK

 体調を崩した時、ずっと仲が良かった人と話が合わなくなってしまった経験がある。それは、どちらが悪いわけでもない。ただ、状況が変わってしまっただけのこと。さとこ(桜井ユキ)と惠子(朝加真由美)も同じだと思う。

 おそらく、膠原病になる前のさとこは、向上心を持っていた。きっと、「マンションを買いたいんだ」とか「出世をしたいんだ」とか、いろいろな夢を語っていたのだろう。

 “普通”の生き方に縛られがちな惠子が、さとこに無理にお見合いを勧めたりしなかったのは、「この子には、この子の幸せがある」と思っていたから。でも、今のさとこは惠子からしたら幸せには見えないのだろう。だから、あれこれ口を出したくなる。

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