『波うららかに、めおと日和』考察&感想レビュー。本田響矢“瀧昌”が尊い…第5話で最高の表情を見せたのは?【ネタバレ】
text by 菜本かな
芳根京子主演のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。今回は第5話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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なつ美(芳根京子)の悲しみに共感
たまに、ガールズトークで“恋と愛の違い”について語り合うことがある。さまざまな意見と出会ったなかで、わたしがいちばん「なるほどな」と思ったのは、友人が言っていた「連絡がない時、浮気の心配をするなら、恋。命の心配をするなら、愛」という見解。
そう考えたら、瀧昌(本田響矢)が帰ってこない時に、「事故にでも遭ったのかしら…」と命の心配をしていたなつ美(芳根京子)は、彼に対して深い愛を持っていると言えるだろう。だからこそ、泥酔して帰ってきた瀧昌を見て、「心配していたのにいぃぃ!」と悲しくなったのだと思う。
ただ、「先輩との飲み会は、仕事の一環だと思って許してもらいたいです」と言われたら、それ以上なにも言うことはできない。しかし、問題はそこじゃない…! と思ってしまうのは、わたしだけだろうか。
だって、なつ美は、瀧昌から「アサッテ カヘル」と電報が届いた日から、彼の帰りを待ち焦がれていた。それなのに、瀧昌は自分に会うことよりも先輩との飲み会を優先した。もちろん、仕方がないのは分かっている。でも、虚しくなってしまうのも無理はない。
これは、スマホがない時代だからこそ生まれた喧嘩とも言えるが、芯の部分はいまも変わらないと思う。結局のところ、「相手もわたしに会いたかったんだ…」と愛を感じることができたら、それだけで許してしまえるものなのだ。
帰宅した瀧昌が、「本当はすぐになつ美さんに会いたかったのに…」と言っていれば、なつ美も玄関の外に押し出すようなことはしなかっただろう。