『いつか、ヒーロー』第7話考察&感想レビュー。宮世琉弥“海斗”の衝撃の真実…台詞以外で魅せる演技の深みとは?【ネタバレ】
桐谷健太主演のドラマ『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が現在放送中だ。本作は、20年間消息不明だった謎の男が、夢を失くした若者達とともに腐った大人を叩きのめす不屈の復讐エンターテインメント。今回は、第7話のレビューをお届け。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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氷室海斗(宮世琉弥)=渋谷勇気?
本放送では、ドリームグループの会長・公威(北村有起哉)の口から、衝撃的な真実が明かされた。
「僕の部下の氷室海斗。彼の本当の名前はね…渋谷勇気だよ」
勇気(駒木根葵汰)は幼い頃に母親を亡くし、父から「お前は絶対に許さない。お前が母親を殺したんだ!」と責められ、暴力を受けながら育った。中学卒業後は、家を出て働きながら定時制高校で学び、国立大学への進学を果たす。
しかし、父は勇気の奨学金に手をつけたどころかたびたび金を要求してきたため、その要求に応えるためにバイトを掛け持ちする生活を送っていた。そんな過酷な日々の中で、過労により事故に遭ってしまう。
搬送先となった病院は、公威が経営する企業グループの関連施設だった。勇気の搬送を部下から伝えられた公威は彼のもとに駆けつけ、こう言葉をかける。
「きっと 生きてちゃいけない側の人間だったんだね…(中略)でも君は…昔、僕、救ってくれたじゃないか。だから、今度は僕が君を救うよ。人間はね、なんにでもなれるんだよ!」
公威は、当時ネットワークビジネスで騙され借金を抱えていた氷室海斗という男と、勇気の戸籍を入れ替え、ふたりを自社に引き入れた。勇気は“海斗”として新たな人生を歩み、公威の表と裏、両方のビジネスに関わるようになる。公威は、かつての自分を勇気に重ね、弱さをみじめさとして叩き込み、その先に強さを求めさせたのだった。
実は、公威と勇気の間には、不思議な縁があった。かつて、公威が父から「お前は役立たずの負け犬だ。若王子家の仕事はさせん。社会の隅で大人しく生きていろ」と電話で突き放され、絶望に沈んでいたとき、偶然そばにいたのが少年時代の勇気だった。彼の「人間はなんにでもなれるよ」という一言が、公威の人生を動かすきっかけになったのだ。