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最高のラストシーンとは? 映画『フェイブルマンズ』を忖度なしガチレビュー 《あらすじ 考察 解説 評価》

text by 柴田悠

本年度アカデミー賞7部門ノミネート。スティーブン・スピルバーグ監督最新作『フェイブルマンズ』が、全国の映画館で公開中だ。同作は巨匠・スピルバーグの実人生をモチーフにした、映画と家族への愛に満ちたヒューマンドラマ。今回は、見どころ満載の同作のレビューをお届けする。(文・柴田悠)

タイトル『フェイブルマンズ』に込められた意味とは?

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『ジョーズ』から『E.T.』、『ジュラシック・パーク』まで、映画史に残る傑作を数々世に送り出してきたハリウッドの”生きる伝説”スティーブン・スピルバーグ。そんな彼の自伝的作品と聞けば、さぞや天才的なエピソードに満ちたものになる…、そう考える御仁も多いことだろう。

しかし、本作に描かれているのは、人一倍の映画愛を持ちながらも、家庭や恋に悩む、どこにでもいる青年の姿である。

本作は映画に人生を捧げたスピルバーグの原点に迫った物語で、スピルバーグ自身長年にわたって温めていた企画。スピルバーグは、「この物語を語らずにキャリアを終えるなんて想像できない。私にとってこの映画はタイムマシンのようなものだ」と語り、コロナ禍の最中の2020年に制作を決意したという。

なお、タイトルの『フェイブルマンズ』とは「フェイブルマン一家」という意味で、スピルバーグのアバターである主人公の名前でもあり、「寓話を語る人」という意味が込められている。

本作の主人公サミー・フェイブルマンは、エンジニアの父バート(ポール・ダノ)とピアニストの母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)を両親に持つユダヤ系移民家族の長男。

彼は幼少期に『史上最大のショウ』(1952年)を観て以来映画の虜となり、自ら映画を制作し始める。家族や友人の協力を得て、ゾンビ映画から戦争映画、西部劇まで、さまざまな映画を撮りっぱなす彼だが、ある日、彼はフィルムを通して母親のある”秘密”を垣間見てしまうことになる―。

あらすじだけ見ると、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)や『桐島、部活やめるってよ』(2012)のように、スピルバーグ自身の映画に愛を表明した映画のように思えるかもしれない。確かにその通りである。

しかし、本作には、「映画」以上に、彼の「家族」への愛情が詰まっている。

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