名作なのに再放送禁止? 視聴困難な”ワケあり”ドラマ(2)視聴に耐えられない…攻めすぎた問題作は?
各種配信サービスが充実する昨今、かつてのあの名作をもう一度!と思う人も珍しくないだろう。しかし、そういう作品に限ってなぜか配信されていない、ということも”あるある”だ。今回は、放送当時は話題を呼んだ大作にも関わらず、現在では視聴困難となってしまった民放ドラマを5本セレクトしてご紹介する。第2回。(文・編集部)
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少年鑑別所を舞台にした教官と収容生の禁断の恋
『リップスティック』(フジテレビ系、1999)
脚本:野島伸司
出演:三上博史、広末涼子、いしだ壱成、伊藤歩、中村愛美、池脇千鶴、窪塚洋介、田中美奈子、麻生祐未
【作品内容】
画家の夢を捨て鑑別所職員となった有明(三上博史)は、心に傷を負った少女・藍(広末涼子)と出会い惹かれ合う。やがて、禁断の恋へと発展していく。
【注目ポイント】
1999年に放送されたドラマ『リップスティック』(フジテレビ系)は、少年鑑別所を舞台に、若者たちの心の葛藤と再生を描いた社会派ヒューマンドラマ。
主演は三上博史。教官と禁断の恋に落ちる収容生を広末涼子が演じた他、いしだ壱成、伊藤歩、池脇千鶴、窪塚洋介など当時の若手実力派俳優が多数出演し、野島伸司が脚本を担当した作品だ。
少年鑑別所の教官と収容生の禁断の恋を描き、洗脳による援助交際や自傷行為、虐待など重いテーマをリアルに描写している本作。
なかでも、池脇千鶴が演じる真白は、継父からの虐待によって妊娠。保護観察になるも母親からは「泥棒猫」と罵倒され、絶望の末に自ら命を絶ってしまう…といった展開は観ていて心が抉られる。さらに、窪塚演じる紘毅が、シャワールームで襲われるシーンをはじめ、過激な描写も多く、コンプライアンスを尊ぶ現代では放送されにくい内容であることは間違いがない。
1999年にVHSで映像ソフト化されたものの、主要キャストの一人であるいしだ壱成が2001年に大麻取締法違反で逮捕されたことも相まって、現在に至るまでDVD化はされていない。
そして不倫騒動や、傷害事件を起こした広末涼子に関する一連の報道は、DVD化のハードルを一段上げたと言えるだろう。
とはいえ、一部で配信はされているため、視聴は可能である。
(文・編集部)
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【了】