『Dr.アシュラ』第7話考察&感想。松本若菜“朱羅”&小雪“ナオミ”の2人らしい終幕…患者の語られない本音とは?【ネタバレ】

text by 西本沙織

松本若菜主演のドラマ『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、こしのりょうの同名漫画を原作とした救命医療ドラマ。“アシュラ”と呼ばれる凄腕のスーパー救命医の活躍を描く。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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救命医のオーバーワーク問題

『Dr.アシュラ』第7話©フジテレビ
『Dr.アシュラ』第7話©フジテレビ

『Dr.アシュラ』第7話でメインとなったのは、原作漫画の最終話に該当するエピソード。序盤では、朱羅(松本若菜)のオーバーワークに触れられた。少しの仮眠だけで働き詰めの朱羅に、大黒(田辺誠一)は「休め」と促す。

 ワンオペだった頃は仕方なかったとしても、梵天(荒川良々)やナオミ(小雪)が加わり、人手が十分なときも出てきた。朱羅本人は「興味ない」と患者の治療にあたろうとするが、ついには多聞(渡部篤郎)に初療室から追い出されてしまう。

 今でこそ働き方改革により労働時間の制限が設けられたものの、大黒の話によると、昔は昼夜問わず呼び出され、病院に寝泊まりすることの方がスタンダードだったようす。救命で働くとはそういうものという感覚で、むしろ改革されては患者にしわ寄せがいくのでは…?と考える医者もいるのだろう。

 だが、医療現場が医者の自己犠牲的な過重労働によって維持されているのもまた事実だ。長時間労働が原因の過労死やバーンアウトが問題になっていることからも、変化に沿う柔軟性は必要になってくるだろう。朱羅自身も医者を続けるために、他の医者を頼り、休むことを覚える必要がある段階なのかもしれない。

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