不器用さも魅力…本田響矢“瀧昌”に胸がキュンとしたワケ。『波うららかに、めおと日和』第7話考察&感想レビュー【ネタバレ】
芳根京子主演のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。今回は第7話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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瀧昌(本田響矢)の行動に胸キュン
今回の『波うららかに、めおと日和』(以下『めおと日和』)も、なつ美(芳根京子)×瀧昌(本田響矢)夫婦に癒されまくりだった。
まず、いちばんキュンキュンしたのは、瀧昌がなつ美に指輪をプレゼントするシーン。瀧昌は恥ずかしがり屋だから、ロマンティックな渡し方をすることはできない。家事をしているなつ美の前に箱をポンっと置き、「これ、良かったら!」と言うだけ。でも、そういう不器用なところが、瀧昌らしくて尊い!
また、瀧昌は亭主関白に見えるけれど、実はなつ美の手のひらで転がされているところも良い。しかし、なつ美はまったく転がしているつもりはないのだろう。ただ無邪気に感情を表現しているだけで、瀧昌が勝手に転がっている感じ。
お揃いの指輪を持つのだって、最初は「指輪をする趣味はないので(なつ美の分だけでいい)」「仕事柄…」「男が指輪なんて…」と後ろ向きだったのに、パーっと目を輝かせているなつ美を見たら、コロっと考えを変えて「…では、妻とわたし2人分!」と言い出すから面白い。
瀧昌は、「半年後の6月か7月に(指輪を)取りに行かせてください。必ず、2人で取りに行きます」と言っていたが、なんだか不穏な空気を感じたのはわたしだけだろうか…。絶対に、2人で取りに行ってほしい…! 1日でも長く、なつ美と瀧昌の幸せな結婚生活が続くことを願ってやまない。
ただ、瀧昌は帝国海軍の中尉だ。本作が、結婚から何年後までを描くのかは分からないが、昭和16年までいくとしたら、ほぼ確実に太平洋戦争に巻き込まれることになる。そうなった時のことを考えると、今から胸が痛い。
ウブさが残る2人…本作のもう一つの楽しみ方は?
大みそかの夜、2人はすごろくのマスに、これまでの結婚生活を綴っていた。顔合わせをした時に、「本当はちょっと(瀧昌のことを)怖いと思っていた」なんてことも言えるようになったし、瀧昌不在の結婚式も、今となってはいい思い出だ。
まだまだマス目は残っているので、どんどん思い出を書き足していかなければならない。“初夜”を迎えたものの、ウブな感じは残っている2人。これから、どんな夫婦になっていくのだろう。柴原夫婦のように、阿吽の呼吸ができる2人になっていけるのだろうか。
『めおと日和』の舞台となっている昭和初期は、男性が外で働き、女性が家を守るのが当たり前な時代だった。だからこそ、お互いがお互いのことをリスペクトし合っているように感じる。たとえば、郁子(和久井映美)が言っていた「海軍の妻は、家の外では三等兵以下だけど、家のなかでは皇后陛下の次に偉いのよ」という言葉には、当時らしさが詰まっているような気がした。
瀧昌も、大掃除をしたりする時は、「なつ美さんが仕切ってください!」と言い、舵取りを妻に任せていた。当時の夫婦は、こんな感じだったのだろうか…なんて思いを馳せるのも、本作の楽しみ方のひとつである。
モテ男・深見(小関裕太)を夢中にさせるのは…。
やはり、MMK(=モテてモテて困る)な男性を夢中にさせるのは、芙美子(山本舞香)のような女性なのだろう。容姿端麗で家柄もいい深見(小関裕太)は、おそらく褒められ慣れている。
だからこそ、「かっこいいね」と言ったり、媚を売ったりするのは逆効果。「こいつも、家柄や外見しか見ていないんだな」と思われてしまう。
その点、芙美子は深見にちっともなびかない…どころか、「迷惑だから近寄らないで」という感じを醸し出している。そういったところが、深見からしたら「おもしれぇ」と感じるポイントなのだろう。「どうにかして、好きにさせたい!」という気持ちが高まりまくっているのだと思う。
第7話では、芙美子と深見が買い出しをしていた時に、八百屋の店先でりんごを盗んでいる少年に遭遇した。この少年は、母を亡くし、父も病気で食べるものがなく、幼いきょうだいたちのために盗みを働いたようだ。
それを聞いた深見は、「どんな理由があっても、お天道様に顔向けできないようなことはしてはならない」と真剣に叱ったあとで、働き口を紹介してあげた。
また、「俺もなれるかな? 海軍に入れば、自慢の兄さんに」と聞かれた時に、「それは、君次第」と返していたのが意外だった。おそらく、いつもの深見なら「なれるに決まってんじゃん!」なんて言って、相手の気分を良くさせる方を選ぶだろう。
芙美子もギャップを感じたようで、「子どもには、笑顔で誤魔化さずに真剣に向き合うんですね」とつぶやいていた。
芙美子(山本舞香)もなかなかのやり手?
芙美子は、深見に好意を寄せられたからといって、すぐになびくことがなかった。しかし、彼の内面を知るたびに、どんどん興味が湧いてきたのだろう。それが、深見にとっては嬉しくてたまらないのだと思う。
“本当の自分”を見てくれている感じがして。ただ、雨に濡れた深見に対して、「風邪、引きますよ。風邪、引いちゃうよ?」とタメ口を挟んでくるあたり、芙美子もなかなかのやり手である。
また、「手紙、また送ってもいいですか?」と聞かれて、「ご自由にどうぞ」とツンツンな返しをするのも、深見の心をくすぐるのだろう。深見にとって、芙美子は初めて自分の外面だけで落とせなかった女であり、初めて自分の内面までを見て惚れ込んでくれた女…になるのではないだろうか。
【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
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