日本の劇場初公開時から35年の時を経て蘇る…台湾ニューシネマの金字塔『冬冬の夏休み デジタルリマスター版』場面写真到着

text by 編集部

ホウ・シャオシェン監督作品『冬冬の夏休み デジタルリマスター版』が8月1日(金)より公開される。本作は『牯嶺街少年殺人事件』のエドワード・ヤン監督が俳優として出演し、主人公・冬冬の父親役を演じるほか、劇中音楽の選曲も手がけている作品だ。そんな本作より、場面写真が公開された。(文・編集部)

公開決定&場面写真公開

映画『冬冬の夏休み デジタルリマスター版』
© CITY FILMS LTD.

 本作でメガホンを取るのは、ホウ・シャオシェン監督。彼の詩情が結実した初期の代表作である本作は、少年と少女が過ごすひと夏の時間を静謐なまなざしでとらえている。

 都市・台北から祖父母の暮らす田舎へとやってきた兄妹、冬冬(トントン)と婷婷(ティンティン)が、日々の暮らしの中で交わされる大人たちの会話、近所の友だちとの交流、目の前で起きるささやかな出来事を通して、ふたりは世界の在り方を垣間見る。台湾中部の銅鑼を舞台に、懐かしくも美しい田園風景は観る者の心を掴み、誰もが自身の子ども時代の記憶を呼び覚まされる作品だ。

 本作では『牯嶺街少年殺人事件』(1991)のエドワード・ヤン監督が俳優として出演し、主人公・冬冬の父親役を演じるほか、劇中音楽の選曲も手がけている。脚本は『悲情城市』(1989)をはじめ数々のホウ・シャオシェン作品を支えてきたチュー・ティエンウェン、撮影は『台北ストーリー』(1985)『風櫃の少年』などの撮影を手がけたチェン・クンホウが担当。1980年代の台湾ニューシネマの核心を担った才能が集結した歴史的にも貴重な一作となっている。

【写真】自身の子ども時代の記憶を呼び覚まされる…貴重な未公開カットはこちら。映画『冬冬の夏休み デジタルリマスター版』劇中カット一覧

【ストーリー】

 台北で暮らす小学校を卒業した少年、冬冬と幼い妹の婷婷。母の入院がきっかけに、ふたりは夏休みの間、厳格な祖父の住む田舎の家へと預けられ、祖父母とともに暮らすことになる。
 
 冬冬は、近所の同世代の子どもたちとすぐに打ち解け、遊びながらのびのびと日々を過ごす。一方、婷婷はふとしたきっかけで寒子という若い女性と出会い、交流を重ねていく。陽射しに包まれた風景の中、周囲の大人たちの会話に耳を傾けながら、ふたりの夏の日々が静かに過ぎていく。

【作品概要】

監督:ホウ・シャオシェン
原作:チュー・ティエンウェン
脚本:チュー・ティエンウェン、ホウ・シャオシェン
撮影:チェン・クンホウ
編集:リァオ・チンソン
音楽:エドワード・ヤン、トゥー・トゥーチー
制作:チャン・ホアクン
キャスト:ワン・チークアン、リー・シュジェン、エドワード・ヤン、グー・ジュン、メイ・ファン、ティン・
ナイチュ、チャン・ホン
1984年/98分/台湾/ビスタ/原題:冬冬的暇期/カラー/配給:Stranger
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【了】

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