うぶキュンと激しい頭脳戦…山本舞香のカッコよさが光ったワケ『波うららかに、めおと日和』第8話考察&感想レビュー【ネタバレ】

text by 菜本かな

芳根京子主演のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。今回は第8話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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瀧昌(本田響矢)にどんな変化が?

『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ

 瀧昌(本田響矢)が、“できる男”になってきた…! と感じた『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)第8話。たとえば、なつ美(芳根京子)が「今日、わたしがお化粧をしていたの気づきました?」と聞いた時、これまでの瀧昌なら「えっ、えっ、そうだったんですか? 気づかず、すみません!」と動揺していたはず。

 しかし、今の瀧昌は違う。「いつもと雰囲気が違うなと思ったのですが、間違ったらいけないと思いまして」とすんなり答える。これで、ひとつの夫婦喧嘩が減ると考えたら、大きな進歩だ。なつ美もここで「本当は気づいてなかったでしょ〜」などと茶化さないところが優しい。

 また、なつ美が「その、『うん』はほかの女性には言わないで。お願いです」と言った時、「そもそも、なつ美さん以外の女性と話すことなんてありませんよ」と安心させてあげていたのも、ナイスすぎる! 「はっ、かわ(いい)…」と心の声が漏れていたのも、瀧昌らしくて尊い。

 瀧昌は、「どの『うん』だ?」と言っていたが、なつ美は「そんなふうに優しい顔で、ほかの女性の話を聞かないで。わたしだけにして」と伝えたかったのだろう。今回、なつ美は瀧昌に対していろいろと嫉妬心を抱いていたが、これも瀧昌にベタ惚れということ…。

瀬田(小宮璃央)が初恋を諦めたワケ

『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ

 でも、瀧昌は女遊びもしなければ、なつ美をあざむくような嘘をつくこともない。瀧昌が嘘をつくのは、男同士の約束を守らなければならない時のみ…というのが、これまたかっこいい。

 そして、なつ美に恋心を寄せていた瀬田(小宮璃央)が、瀧昌に「俺、奥さんのことが好きでした。子どもの頃から初恋が始まって、いつの間にか10年たってしまいました。でも、もう辞めます。俺の入る隙なんてないですし」と過去形で伝えていたのも良かった。

 正直、瀬田はもっと瀧昌の心をかき乱す存在になるかと思ったが、他者が介入できないほどの強い心の結びつきが、2人の間にはある。なつ美のことをずっと見てきた瀬田だからこそ、真っ先にその事実に気づくことができたのだろう。

 しかし、第9話の予告が何やら不穏な空気を纏っている。瀧昌に緊急の招集がかかったあと、嵐で(?)船が大揺れしている描写が…。ただ、「必ず戻ってくるから、待ってて」と言っていたから、絶対に戻ってきてくれるはず! 全力で無事を祈りながら、なつ美とともに瀧昌の帰宅を待ちたいと思う。 

芙美子(山本舞香)と深見(小関裕太)ならではの関係性

『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ

 縁談の話が進み、お見合いをすることになった芙美子(山本舞香)と深見(小関裕太)。これまでも恋愛の駆け引きを繰り広げてきた2人は、お見合い中も激しい頭脳戦を展開する。きっと、深見にとっては「こんなの初めて!」という感じだったのだと思う。

 今まで、深見とお見合いをしてきたた女性たちは、みんなこぞって「どうにかいいところを見せよう!」と奮闘していたはず。しかし、芙美子は逆に「この縁談が破談になってもいいわ」みたいなテンションで、深見の弱点をついてくる。この、2人の喧嘩のような言い合いが、周囲から見たらテンポのいいやり取りに見えたのだろう。「気が合うのね、あなたたち」と言われた時の、芙美子の「まじかよ。逆効果じゃん」という表情が面白くてふふっと笑ってしまった。

 しかし、深見の両親は芙美子にタイピストを辞めて家庭に入ってほしいと思っているようだ。深見は、芙美子の仕事への情熱を察しているので、「それは重要なことだから、ここで聞くのは辞めとこう」と母親を制止していたらしい(優しい!)。また、2人になった時に「あとで僕が両親を説得しておきます。辞めたくないんでしょ?」とサラリと言ってくるあたり、さすがはMMK(=モテてモテて困る)! という感じだ。

表情から伝わる芙美子の本音とは?

『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』第8話 ©フジテレビ

 ただ、芙美子は仕事を辞める意思を固めているらしい。でも、ここであっさり引き下がるのではなく、「結婚となれば、仕事は辞めます。片手間にタイピストができるほど嫁としての仕事は甘くないのは分かっていますから。でも、社会経験や知識はいろいろ応用できますので、むげに扱うのはお家の損ですよ」と深見父に伝えてくれと言うところが、芙美子らしくてかっこいい。

 また、“うぶキュン”なのは、なつ美×瀧昌だけかと思っていたが、芙美子×深見も違う角度からの“うぶキュン”を見せつけてきた。まず、芙美子の着物を、深見が「山百合のように綺麗でした」と言っていたと聞かされた時のこと。芙美子は「あの、女ったらし!」と言いながらも、これまでに見せたことがないようなニターっとした笑みをこぼしていた。

 そして、深見も芙美子のことを思い出すだけでにやけが止まらない様子。「参ったなぁ。江端のこと、バカにできないなぁ」と言いながらも、めちゃくちゃ幸せそうなのが尊い! きっと、2人ともいろいろな恋をしてきた経験はあるのだろう。でも、お互いにとってこれが“初恋”なのは明らか。芙美子×深見の新婚生活の模様が見られるのが楽しみだ。

【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

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【了】

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