ドラマの「弟役」でブレイクした俳優は? 記憶に残る名演5選。主役を喰うほどの存在感…視聴者の心をつかんだ男たち

text by 編集部

民放ドラマで「弟役」として視聴者の心をつかみ、その後の俳優人生で大きく飛躍を遂げた5人の俳優をピックアップ。繊細な演技、疲れた心を癒やす存在感、唯一無二の輝き…。キャリアの原点とも言える“弟役”から始まった彼らの魅力を、作品と共に振り返る。(文・編集部)

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民放ドラマ史に残る「弟キャラ」を体現

福山雅治『一つ屋根の下』(フジテレビ系、1993)

福山雅治
福山雅治【Getty Images】

脚本:野島伸司
出演:江口洋介、福山雅治、酒井法子、いしだ壱成、大路恵美、山本耕史、山本圭

【注目ポイント】

 1993年に放送されたフジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下』は、両親を亡くして離れ離れになった兄妹6人が再び一つ屋根の下で暮らし始め、家族としての絆を取り戻していく姿を描いた名作だ。次男・柏木雅也を演じたのが、当時まだ俳優としてのキャリアが浅かった福山雅治である。冷静でプライドの高い医学生という役柄でありながら、兄・達也(江口洋介)との対立や、妹・小雪への秘めた想いを抱える繊細な役柄を見事に演じ、一気に注目を集めた。

 この“チイ兄ちゃん”という役をきっかけに、福山は俳優としての評価を高めていく。1999年の『パーフェクトラブ!』(フジテレビ系)では女癖の悪い歯科医役を演じ、以降も『ガリレオ』シリーズ(2007~フジテレビ系)で天才物理学者・湯川学を演じて話題に。さらに2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では坂本龍馬という歴史的人物を深く掘り下げ、多くの視聴者の心に残る演技を見せた。

 俳優活動に加え、音楽の分野でもヒットを連発。『桜坂』『家族になろうよ』など、時代を彩る名曲を世に送り出し、老若男女から愛される国民的スターの座をものにした。また、役者としても、映画『そして父になる』(是枝裕和 2013)で複雑な父親像を演じ、国内外で高い評価を受けた。

 今や日本を代表する実力派俳優へと進化を遂げた福山雅治。大人の魅力たっぷりだけれど、あの優しくてちょっと不器用な弟の面影も、やっぱり忘れられない。

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