ウブな2人の成長に“逃げ恥”との共通点も…『波うららかに、めおと日和』ヒットのワケ。第9話考察&感想レビュー【ネタバレ】
芳根京子主演のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。今回は第9話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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大人気ドラマに通じるもの
『逃げるは恥だが役に立つ』のみくりと平匡のような“国民的カップル”になりそうな(というか、もうなっている?)予感がするなつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)。『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系/以下『めおと日和』)第9話も、2人のウブなじゃれ合いにキュンキュンが止まらなかった。
まずこの2人、夫婦なのに間接キスをしただけでドギマギしているのが愛おしすぎる。なつ美が頬を赤らめながら、「それ、わたしが口をつけた…」とつぶやくと、明らかに動揺しているくせに「問題ありません!」とぶった斬る瀧昌にじわじわ。
やっぱり、瀧昌は女慣れしていないんだな。まあ、そういうところが好きなんだけど! なんて思っていたら、「なつ美さん、酔った? 俺も酔った」と急にタメ口をぶっ込む高度なテクニックを披露してくるので、見ているこちらまで振り回されてしまう。
瀧昌の「なつ美さん、KI(=接吻)してもいいですか?」という問いかけからのキス…。これだけでも美しいのに、なんとなつ美が初めてのキス返し! 「初めて自分からKIしちゃいました」となつ美が微笑んだ時、瀧昌は「可愛すぎやろぉおおおおおお!」と言いたい気持ちを隠してましたね(確信)。
『めおと日和』がヒットしているワケ
また、ホタルを近くで見たそうな雰囲気を醸し出していたなつ美をお姫さま抱っこして、「これで触れますか?」と言った瀧昌を見た時、「こんなことができるようになるなんて…」と感動してしまったのはわたしだけではないだろう。初回から追いかけてきた視聴者は、瀧昌が不器用なことも、なつ美がウブ中のウブなことも知っている。だからこそ、2人の成長がうれしい。
キスをしたり、初夜を迎えたりと、ディープな描写が入る瞬間は、だいたいコメディ要素を取り入れている(もしくは、主題歌の『夢中』を入れ込み、明るい雰囲気を醸している)ため、家族で見ても楽しめるというのが『めおと日和』がヒットしている理由のひとつでもある。これは、『逃げるは恥だが役に立つ』と共通している部分だ。
また、個人的には本作を見て“古き良き夫婦関係”のようなものに対するイメージが変わったのが大きい。男女平等の社会・家庭を実現するためには、女性が働きに出て、男性も家事をするというのがマストだと思っていたが、なつ美と瀧昌を見ていると、そうではなくてもお互いが尊重し合える家庭を作り上げていくことは可能なのだと気付かされた。
なつ美は、稼ぎはないかもしれないが、家を守るという大きな役割をこなしている。そして、瀧昌はそんななつ美をリスペクトして、彼女のために仕事を頑張っている。彼には、「俺が稼いでいるんだから!」などという驕りは一切ない。ある意味、令和の時代に求められる夫婦像とは逆行しているはずなのに、なんだか羨ましく感じるのは、2人の間に強いリスペクトが存在しているからかもしれない。
深見(小関裕太)が見せた余裕
とんとん拍子で縁談が進んでいる芙美子(山本舞香)と深見(小関裕太)。しかし、芙美子の妹と弟は、姉を敬愛するあまり、深見を敵視してどんどん厳しい質問を投げかけていく。
妹と弟が「粗探しして、お父さまに言いつけてやる!」と鼻息を荒くしても、「お姉さんのことが心配なのは、分かるよ。なんでも聞いて」と余裕たっぷり。また、ここで「芙美子さんのことをよく知っている君たちがとっても羨ましいよ」と相手を立てる言葉をチョイスするのも、深見の頭の良さだ。
「海軍は遊んでいるのでは?」と聞かれた時、深見は「芙美子さんに出会ってから、ほかの女性がマネキン人形のように思えてね。君たちの姉さんは、罪深い人だよ」と答えていた。
この回答を聞いていた芙美子が、あとから「うまくはぐらかしてくれて助かりました」と感謝を伝えると、「多少のからかいも混ぜましたが、真面目に答えたつもりです。だから、はぐらかしたなんて、さすがの僕も怒るよ」とむくれていた深見。こやつ、あまりにも女性をキュンキュンさせるのがうますぎる…! さすがは、MMK(=モテてモテて困る)である。
芙美子(山本舞香)が伝えたかった本音とは?
確実に、芙美子の心は深見に沼っている。しかし、素直になれない芙美子は、なかなか本心を伝えることができない。「もし、僕が死んだらどうします? 先に何があるか分からない仕事をしているので、念の為」と聞かれた時も、「もし、そんなことがあれば、別の人生を考えるだけです」と冷たい答え方をしてしまう。
もちろん、深見に負担をかけたくないという思いやりもあったのだろう。でも、本当は「絶対に死なないで」と伝えたかったはず。そんな芙美子の心の内を、深見はちゃんと見抜いてくれているのだろうか。
次週は、ついに最終話。「国籍不明の船と海軍艦が衝突したかもしれない」と緊急招集がかかり、瀧昌と深見は艦に向かってしまった。しかし、海上では暴風雨が続き、2人とも危険な状態に。一体、どうなってしまうのだろう。瀧昌も深見も、必ず無事で戻ってきてほしい。そして、また4人で笑い合っている姿が見られることを願っている。
【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
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【了】