初回からワンちゃんに悶絶…清原果耶×成田凌の並びにワクワクするワケ。ドラマ『初恋DOGs』第1話考察&感想【ネタバレ】
清原果耶主演のドラマ『初恋DOGS』(TBS系)が放送開始した。TBSが韓国の制作会社STUDIO DRAGONと初タッグを組んだ本作は、愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせ大人3人の国を越えたラブストーリー。今回は、第1話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】
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犬が結んだ奇妙な三角関係
今季の“火10”ドラマ『初恋DOGs』が早くもスタートした。主演を務めるのは、2022年に放送された同枠のドラマ『ファイトソング』でも主演を務めた清原果耶。そのほか、成田凌、日本ドラマ初出演となるナ・イヌが名を連ねる。
個人的には2021年に公開された前田弘二監督映画『まともじゃないのは君も一緒』が大好きなので、清原と成田の並びだけでもワクワクしてしまうところだ。
また、本作は『愛の不時着』(2019)などのヒット作を生んだ韓国の制作会社・STUDIO DRAGONとTBSによる共同制作であることも見逃せない点だろう。
期待とともにスタートした第1話を振り返りたい。
清原演じる主人公の敏腕弁護士の愛子は、「恋愛は錯覚」と断言する。離婚訴訟を得意としているだけあって、過去の恋愛で嫌な経験をしたのか、はたまた仕事柄そういう思考になってしまったのかと思っていたが、どうもそうではない。
「誰かに幸せにしてもらうんじゃなくて、自分で幸せになる」という価値観をもつ愛子は、「仕事、趣味、愛するペット」をことさら大事にする。所属している弁護士事務所の所主催の飲み会も断ってさっさと退社していく姿は、とても清々しい。
しかし、愛子の母・千佳子は、それとは異なる価値観を持つ。長年不仲なまま夫婦関係を継続している千佳子に、愛子は離婚を勧めるが、「愛子は強いから」と一蹴されてしまう。
きっとこれ以上深入りしても無駄なことはわかっているのだろう。特に会話は続かない。腑に落ちない表情を浮かべる愛子から、強いとか弱いとかは関係ないのに、という声が聴こえてくるようだった。なるほど、愛子の自律と恋愛への拒否反応は、この母の影響が大きそうだ。
人に心を許さない愛子(清原果耶)に訪れた出会い
ある日、愛子は、愛犬・サクラの散歩中に、将軍という真白な犬を連れた白崎快と出会う。快は24時間体制の動物病院を経営しており、人望もあり、犬のように素直そう。
愛犬同士が惹かれ合っていることで度々顔を合わせることになる2人だが、最初のうち、愛子は快のことを避けていた。だいぶ極端な気もするが、人に心を許さないことを、自分自身に課しているようだ。これは、愛子が実は心のやさしい人間であることの裏返しでもあるのかもしれない。
快と接点をもつことを拒みつつも、「人間にとっての1日と、犬にとっての1日では時間の長さが違う」という言葉が心に残っていた愛子。そんな折、サクラが急に体調を崩してしまう。頼った先は、24時間診療をしてくれる快の病院だった。
幸い、サクラは大事には至らなかったが、1人で平気と言いながら愛犬さえ守れない自分の不甲斐なさに打ちひしがれる愛子を見て、快は「あなたの愛情は伝わってますよ。いい飼い主さんです」と声を掛ける。損得勘定で物を言わなそうな快から発せられたこの言葉は、愛子にやさしく染み渡った。
愛犬がもたらすのは、シングルライフか、それとも新たな出会いか。愛子のもとには、後者が訪れた。この出会いが、頑なに1人で生きることにこだわる愛子を、そして奥底では誰をも寄せ付けない快の心を溶かすのか。
そして、忘れてはならないのが、ナ・イヌ演じるソハの存在だ。彼は韓国屈指の大企業の御曹司で財閥三世。体調を崩しているらしい祖母の命を受けてロッキーという名の犬を探しているようだが、どうもそれが快のもとにいる将軍らしいのだ。
快の前で、「あなたの犬を奪いに来ました」と宣言したソハ。そもそも、なぜロッキーは日本に来ることになったのかとあわせて、「待っている人はいない」などの発言から匂わせる、ソハが抱えている“叶わなかった恋”も気になるところだ。
ワンちゃんたちの可愛さに悶絶
ウソがなくて素直で、飼い主のことが大好きだからただ一緒にいたい。そんな犬の生態を強調するように、ピュアな存在として、とにかく作中に登場するワンちゃんたちがかわいい。飼い主たちが会話をしているときに、終始ぴったりと寄り添うサクラと将軍の姿は悶絶ものだった。
しかし、ただかわいいだけではなく、彼らからの愛の重さも描かれる。また、舞台のひとつに動物病院があることで、動物とともに生きることの現実を突きつけられる瞬間もあるかもしれない。かわいい! 飼いたい! と安易にならなそうな作風であることに、少し安心した。
素直な犬と対比する形で、人間の複雑さがあぶり出されていく本作。弁護士事務所、そして動物病院の愉快な仲間たちとともに、この夏は犬が結んだ奇妙な三角関係の行方を見守りたい。
【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
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