「”ロリコン”の最悪な実態は…」ネット社会の危険を描いた映画(2)。醜すぎる欲望を暴いたドキュメンタリー
昨今、仮想通貨を巡る詐欺や、SNSから事件・トラブルに巻き込まれる人々が増えている。リアルな世界では見せられない欲望がむき出しになるネット上で、加害者は被害者は何を思うのか? 今回は、そんなインターネットの闇を描いた作品を5本セレクトした。明日は我が身としてぜひ役立てていただきたい。(文・寺島武志)
●小児性愛者の卑劣な姿を暴き出すドキュメンタリー
『SNS-少女たちの10日間-』(2020)
上映時間:104分
製作国:チェコ
監督:バーラ・ハルポヴァー、ビート・クルサーク
脚本:ビート・クルサーク
キャスト:テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトバー、サビナ・ドロウハー
【作品内容】
巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3名の女優が集められる。彼女らは「18歳以上であることを伏せる」、「自分からは連絡しない」、「12歳であることを相手に告げる」「誘惑や挑発はしない」といった7つのルールのもと、部屋に設置されたパソコンを使い、偽のSNSアカウントで友達募集を開始。すると、なんと2458名もの成人男性からコンタクトがあり、卑劣な誘いを仕掛けられる。ある男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノサイトのリンクを送信してくる。中には恐喝する者も現れ…。
【注目ポイント】
本作は小児性愛者の醜い欲望を詳らかにしたリアリティーショーとなっている。子ども部屋には、精神科医、性科学者、弁護士や警備員などを配し、万全なバックアップやアフターケアを用意。撮影を続けて10日ほど経つと、撮影されているとは露とも思っていない男性たちが卑劣な本性をさらけ出していく。
初めは紳士を装う男たちが、徐々に尻尾を出し始めるサマには寒気を覚える。本作の映像は、児童への性的搾取の実態を記録したものであり、チェコ警察から刑事手続きのために提出するように要求されたという。
製作国であるチェコでは、6割の子どもが親の監視下を離れてスマホを使い、その4割がみだらな画像を送り付けられたことがあるという。本作は、SNSと接する機会の多い現代の子どもたちが直面する危険を赤裸々に映し出す。子どもたちではなく、親たちにも“こんなにも多くの性犯罪者がいるとは…”と恐怖と警戒心を喚起すること請け合いだ。
我が子にスマホを与えることが当たり前になり、子どもの行動に無関心な親が増えている昨今、我が国においてもSNSをきっかけにして性被害を被る未成年者は増えている。本作が赤裸々に映し出す事態は、海の向こうの話とはいえ、決して他人事ではないのだ。
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