「人間不信に…日本映画がやばい」ネット社会の危険を描いた映画(3)。キャリアウーマンと専業主婦が危険なゲームに手を染める
昨今、仮想通貨を巡る詐欺や、SNSから事件・トラブルに巻き込まれる人々が増えている。リアルな世界では見せられない欲望がむき出しになるネット上で、加害者は被害者は何を思うのか? 今回は、そんなインターネットの闇を描いた作品を5本セレクトした。明日は我が身としてぜひ役立てていただきたい。今回は第3回。(文・寺島武志)
●久本雅美×板野友美W主演。キャリアウーマンと専業主婦が危険なゲームに手を染める
『イマジネーションゲーム』(2018)
上映時間:91分
製作国:日本
監督:畑泰介
脚本:畑泰介
キャスト:久本雅美、板野友美、田中幸太朗、仙石みなみ、長州小力、水橋研二、東ちづる、小沢仁志(OZAWA)、寺島進、ヨッピー
【作品内容】
大企業で部長を務める早見真紀子(久本雅美)は、男性部下をアゴでこき使うような、バリバリのキャリアウーマンである。40代も後半にさしかかり、婚期を逃した真紀子は、一方でネットの世界ではカリスマ的な人気を誇る「謎の女神」として別の顔を持っていた…。
【注目ポイント】
早見真紀子のネット上の裏の顔とは次のようなものだ。夜の街を舞台に、「深夜の女神」と名乗り、自分の履いていたパンティを脱いだあとに隠し、男たちに宝探しをさせるという行為を行っていたのだ。決して顔は映さず、時には生脱ぎライブ配信もやって、真紀子は男たちの女神になっていた。
一方、専業主婦として何不自由ない生活を送る池内葵(板野友美)は、表向きには勝ち組であるかのように見えて、夫の勉(田中幸太朗)との関係は冷え切っている。そのストレスをぶつけるように、彼女は、夫が留守の間、夫の歯ブラシで便器を掃除したり、味噌汁にぞうきんののしぼり汁を入れるなどやりたい放題。復讐行為の数々を、“ジャンヌ・ダルク”というハンドルネームで投稿サイトにアップし、カリスマブロガーとなっていく。
本作では、現実世界とネット空間という2つの世界を舞台に、人間の持つ二面性とその浅ましい姿がシュールに描き出されている。
夫婦の間で芽生えていた嘘や憎しみに始まり、自分の勝手な好き好みで手のひらを返すネット民や、気に入らない者を簡単につまはじきにする会社など、身近なコミュニティーの醜悪な部分がこれでもかと描き込まれている。コメディ要素を取り入れながらも、おぞましさをも感じさせるサスペンス映画でもある本作は、観ていて、人間不信になってしまいそうな一本だ。
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