最も「ギャル役が上手かった」日本人女優は? 衝撃の名演5選。従来のイメージを覆す役柄で株を上げた女優をセレクト

text by shuya

清楚で可憐なイメージをまとい、透明感あふれる存在感で活躍する女優たち。だが、その固定観念を裏切るようにギャルという真逆のキャラクターを演じたとき、彼女たちはまた違った輝きを放つ。今回は、ギャル役で鮮烈な印象を残した5人の女優をセレクト。その演技の魅力を掘り下げていく。(文・shuya)

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確かな演技力で90年代ギャルを体現

池田エライザ『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)

池田エライザ
池田エライザ【Getty Images】

 近年、モデルや音楽活動、さらに映画監督としても活動の幅を広げている池田エライザ。その勢いはとどまるところを知らず、多方面で注目を集めている。そんな彼女の俳優としてのセンスが際立って見える作品のひとつが、2018年公開の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』である。

 本作は、90年代のギャル文化を鮮やかに描いた青春映画であり、池田はその中で、当時のトレンドを凝縮した“完璧なギャル”・ナナを演じた。金髪に太めの眉、厚底ブーツにガングロメイクというビジュアルは、まさに90年代ギャルの象徴とも言える外見であった。

 しかし、池田の演技は単なる外見の再現にとどまらない。派手で豪快な外見の裏にある、繊細で仲間想い、情に厚いナナの内面を、丁寧かつリアリティをもって表現していた。こうした“内と外のギャップ”を自然に表現できる演技力は、俳優としての成熟を感じさせるものである。

 また、池田は実際には90年代ギャル文化をリアルタイムで体験していない世代に属しているが、それでも当時のファッションやメイクを見事に着こなし、違和感を抱かせることはなかった。その背後には、流行やカルチャーに対して敏感に反応し、理解し、咀嚼することのできる感性の高さがうかがえる。

 彼女は、単に昔のギャル像を忠実に再現するのではなく、自らの視点と現代的な感覚を加味することで、“池田エライザ版・ギャル”を見事に確立していた。こうした柔軟でセンスある表現力は、彼女がこれからの映像作品でも、ますます存在感を放っていくことを予感させる。

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