坂本悠花里監督、初長編映画『白の花実』第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNew Directors部門に正式招待

text by 編集部

坂本悠花里の初長編『白の花実』が、12月26日(金)より公開される。本作が、第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNew Directors部門に正式招待され、日本での公開に先駆けて同映画祭でワールドプレミアの開催が決定した。(文・編集部)

サンセバティアン国際映画祭に正式招待

映画『白の花実』
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

 第73回サン・セバスティアン国際映画祭(開催期間 9月19日(金)~9月27日 (土) ※現地時間)のNew Directors部門に正式招待された本作が、クロージング作品に決定した。本部門のラストを飾る上映作として、坂本悠花里監督が長編映画一作品目にも関わらず既に世界から注目を集めていることが伺える。さらに、日本での公開に先駆け、同映画祭でワールドプレミアが開催される。

 今回の映画祭の招待に対して坂本監督は、「『白の花実』が、歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門でワールドプレミアを迎えられることを本当に嬉しく思っています。素晴らしいスタッフ・キャストと作り上げた映画です。スペインから世界へ、たくさんの人たちと出会えることを楽しみにしています」と語っている。

 主人公・杏菜役を務めた美絽は、「海外の皆さまにこの作品をご覧いただけること、そしてどのような感想を持っていただけるのか、今から楽しみでなりません」と語っている。さらに、栞役の池端杏慈は「国を超えて多くの人の心に残る作品となれば嬉しいです」、莉花役の蒼戸虹子は「漠然と憧れを抱いていた海外映画祭で出演させていただいた映画が上映されるなんて、何だか夢のようで、すごく、嬉しいです」とそれぞれ歓喜のコメントが寄せられた。

【ストーリー】

 周囲に馴染めず、転校を繰り返してきた少女・杏菜。たどり着いたのは、静かな森の奥にある全寮制の女子校。その寄宿舎で彼女を迎えたルームメイトは、美しく、完璧で、誰からも好かれる少女・莉花だった。しかし間もなく、莉花は屋上から身を投げ、自ら命を絶った。

 残されたのは、1冊の”日記”。そこには、笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み、そして、幼なじみ・栞との記憶や、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。 杏菜が≪日記≫を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような“魂”が現れる。それはまるで、莉花の魂そのもののように、静かに、杏菜の中へと入り込んでいく。

 一方の栞は、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた。だが、杏菜を通じて莉花の魂に導かれるように、次第にふたりは歩み寄っていく。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いはやがて、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる。

【作品概要】

『白の花実』
12月26日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 伊藤歩 吉原光夫
門脇麦
監督·脚本·編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作·配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題: White Flowers and Fruits
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
公式サイト

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【了】

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