ラウールの表情変化から目が離せない…ドラマ『愛の、がっこう。』考察が捗るワケ。第4話考察&感想レビュー【ネタバレ】
木村文乃主演のドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)が放送中だ。木村演じる高校教師と、Snow Man・ラウールが演じる夜の世界でNo.1を目指すホストの、禁断なのに純愛な“愛”の物語。今回は、第4話のレビューをお届け。(文・於ありさ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】
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段々と惹かれあう2人
4話では、愛実(木村文乃)とカヲル(ラウール)がお互いに対する気持ちを表明するような回だったように思えた。
まずは、愛実。彼女は、なぜここまで熱心にカヲルに授業をしたがるのだろうかというのが、3話までの時点で正直掴み切れていなかった。
哀れみでもないし、善意でもない。ただ目の前にいる、関わってしまった人に対して関与するには、あまりにも人が良すぎるのではないかというのが率直な疑問であった。
しかし、今回決定的に愛実がカヲルに惹かれているのだろうと感じる描写があった。それは、百々子(田中みな実)が、カヲルとはもう会わない方がいいと愛実に助言したシーンでのこと。
これまで、なんでも話せる仲だった百々子に対し、愛実は「保護者面はやめて」「なんでも話しているわけじゃない」と拒絶したのであった。
カヲルを好きだとしても、それが恋なのかはわからない。恋をしたとしても、愛実をいきなり抱きしめたカヲルのことを拒絶するくらいに「いけないこと」だとは理解している。だから、愛実は百々子の言葉に対してムキになってしまったのだろう、そう感じた。
カヲル(ラウール)が垣間見せる弱さ
そして、カヲルである。カヲルは店の常連客・宇都宮明菜(吉瀬美智子)を放置し、愛実を追いかけた。
お金になる客を放置し、金脈となる可能性が未知数な客を追いかけることは、ホストとして正解ではないということは見ている人、誰もがわかったはずだ。それなのに、追いかけてしまったのは、やはり自分のことをバカじゃないと言われたことが嬉しかったからなのだろうか。
それから、もう1点、なぜ、ここでカヲルが愛実をいきなり抱きしめたり、「ホテルに行ってもいい」と誘ったりしたのか、というのにはいろいろな理由が飛び交いそうである。
筆者としては、この時点で、きっとカヲルは愛実とは距離をとった方が楽だ、もう関わりを持たない方がいいと思ったのではないかと考察する。
というのも、カヲルだって、これまでの愛実の反応を見ていたら、ハグもホテルに誘うことも喜ばない人だときっと知っていたのではないかと感じたからだ。
ここで愛実は腹を立てて立ち去ろうとするのだが、カヲルはまた授業してほしいと言う。それは、きっとカヲルが愛実と離れた方がいいと思っているのにも関わらず、彼女のことを拒絶し切れない弱さから来たのではないだろうか。
なぜそう思ったのか。それは、カヲルからの勉強を再開したいとの申し出に、愛実が「本当ですか?」「わかりました」と言ったときに見せた曇りのない笑顔での「じゃあね」に詰まっていたように感じた。
あの言葉はきっと嘘でも、ホストとしての作戦でもない。会わない方がいいんだろうけど、きっと会った方が楽しい――そんなカヲルの心のうちが表現されていたように感じた。
ラストの「バイバイ」に込められた思い
別れのシーンで言うと、4話ラストの「バイバイ」も印象的であった。ここでのカヲルは4話冒頭の「じゃあね」とは比べものにならないほどに切ない表情を浮かべていたからだ。
目を瞑り、愛実が店で使った50万円を返すと突きつけ「これで終わりにしたい」「先生といるの、なんかしんどくなってきた」と告げ、笑顔を作ろうとしながらも非愛に満ちた表情を隠し切れずに言う「バイバイ」がなんとも切ない。
嫌われたくないから、嫌われる前に自分から距離を置く、恋愛における常套手段とも言える行動をとったのは、紛れもなく恋なのだろう。自分のことをバカじゃないと認めてくれた愛おしい存在、大切な人を傷つけたくない、巻き込みたくないという胸中が表れていた。
ところで、カヲルを演じるラウールの、この絶妙な表情の違いが、このドラマを見る上で考察を捗らせてくれている気がするのは筆者だけではないはず。これは、ホストとしての発言なのか、はたまた本気の恋愛感情なのか。まだまだ読めない2人の関係がどう展開していくのか、楽しみだ。
【著者プロフィール:於ありさ】
ライター・インタビュアー。金融機関、編プロでの勤務を経て2018年よりフリーランスに。サンリオ・アイドル・恋愛コンテンツ・ガールズカルチャー・テレビ・ラジオ・お笑い・サッカーが好き。マイメロディに囲まれて暮らしている。
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