これぞ神回…『鬼滅の刃』史上最強の戦いは? 名バトル5選。胸を打つ瞬間満載…魂を揺さぶる戦いをセレクト
text by まっつ
『鬼滅の刃』の魅力は、美しい映像や胸を打つストーリーだけでなく、魂を震わせる数々の名バトルにもある。今回は、その中でも特に印象的で、キャラクターの覚醒や感情の爆発が描かれた「最高の名バトル」5選を厳選。呼吸が止まるほどの緊張感、心を揺さぶる人間ドラマ、そして戦いの果てに訪れる感動――そのすべてを振り返る。(文・まっつ)
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初めて挑む強敵との死闘、その衝撃の結末
竈門炭治郎&冨岡義勇vs累
主人公である炭治郎が初めて十二鬼月と対決したのが累との戦いだ。序盤のクライマックスであり、「下弦の伍」である累は当時の炭治郎にとっては間違いなく手に負えない相手だった。
累の糸を使った血鬼術の前に炭治郎は文字通り刃が立たず、日輪刀も真っ二つにされてしまう。そんな炭治郎が窮地に陥る中で編み出したのが「ヒノカミ神楽」。父・炭十郎との記憶から生み出し、“日の呼吸”としても扱われる型は、後の炭治郎の大きな武器となるが、そのヒノカミ神楽が初披露されたのも累との戦いだった。
炭治郎が水の呼吸だけでなく、新たな技も使用できることに読者(視聴者)は胸を躍らせた。「円舞」は神々しささえあったが、それでも累には間一髪で回避されてしまう。そんな絶体絶命の危機を救ったのが冨岡義勇。「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」という圧倒的な練度の技により累を一蹴し、戦いに終止符を打つのだった。
バトルの激しさはもちろん、ストーリーとしても秀逸で、炭治郎と禰豆子の本当の兄妹の絆と、累の支配による偽りの家族が対比的に描かれている。その後に明かされる累の悲しい過去も相まって序盤屈指の名バトルとして多くの人の心に刻まれているはずだ。