「毎日が初恋みたいな現場」FODドラマ『Love Sea ~愛の居場所~』国上将大&西銘駿が語る撮影の裏側。インタビュー
タイのBLドラマを日本版にリメイクした『Love Sea ~愛の居場所~』が、FODで独占配信中。今回は、本作でW主演を務める国上将大さんと西銘駿さんにインタビューを敢行。新島・式根島ロケでの同居生活で見えたお互いの素顔や、視聴者の心を揺さぶる「間」の演技の裏側など、たっぷりお聞きした。(取材・文:浜瀬将樹)
——————————
「心に傷を抱える愛と、まっすぐな海心」
物語の対照性が魅力
―――都会に暮らす人気恋愛小説家・楽本愛(西銘駿)と、ツアーガイド・武藤海心(国上将大)が島で出会うところから始まる本作。とても面白い設定だと思ったのですが、おふたりはどんなことを感じましたか?
西銘駿(以下、西銘)「僕も、心に傷を抱えている愛と、社交的で面倒見のいい海心という“対照的なふたり”が織りなす恋愛模様が面白いと思いました。いろいろな恋愛をして、トラウマも抱えていた愛が、お金では買えない海心のピュアでまっすぐな想いにどんどんのめり込んでいく……。最初は何度も海心を否定するのですが、そこを蹴散らしてくる彼のストレートさに、ファンの皆様も魅入ってもらいたいです」
国上将大(以下、国上)「海心は、愛さんと出会ってどんどん好きになっていくのですが、それと同じくらい海だったり、島のことだったり、島の人たちも愛しているんです。そんな性格だからこそ、いろいろと抱えている愛さんとの、いわゆる『ラブゲーム』にも立ち向かえたのだと思います」
西銘「大海原くらい器が大きいもんね(笑)」
―――役を演じるうえで、何か取り入れたり、意識したりしたことはございますか?
西銘「小椋ふみを演じる川津明日香さんと、宇井姫花を演じる土生瑞穂さんと4人で台本を読んでいたとき、姫花がしゃべっている感じやテンポ感に“愛さん味”を感じたんです。そのニュアンスを取り入れたら、愛っぽくできるんじゃないかな、ということで、語尾を少しだけ上げるようにしました。実はこのことは、土生さんにはお伝えしていません(笑)」
国上「撮影前から『海心と(国上が)似てるよ』、『将大のそのままをやればいいんだよ』と言っていただいていたんですが、自分的には実感がなく、違う人だよな、と思っていました」
“初恋”のような現場体験が生んだリアルな感情表現
―――撮影の中で自分と似ている部分を見つけることはできましたか?
国上「僕にとって初めてのドラマだったので、現場がめちゃくちゃ楽しかったんですよ。毎日『この環境が幸せだな』と思っていましたし、初恋みたいな感覚を味わっていました。海心は、愛に溢れている役なので、この気持ちは使えるかもな、と思いましたね」
西銘「(国上は)芝居と現場に、恋していましたね」
国上「アハハ! あと、島に向かう船の中で、綾部真弥監督から『芝居だけじゃなく、普段の生活でもいろいろなことに繊細になった方がいい』とアドバイスをいただいたので、それを念頭に取り組んでいました。お芝居をやりながら感じた“楽しいな”という気持ちや、『人として駿くんのことが好きだな』という感情など、ひとつひとつの気持ちを大事にしながら演じましたね」
愛と海心、寄り添う“距離感”の演出に注目
―――海心と愛は、お互いどんなところに惹かれたと思いますか?
西銘「(愛は)最初、海心を毛嫌いしますが、ある出来事で、彼が自分と同じ境遇、同じつらさを味わっていることを知ります。海心は自分とは違って、強くまっすぐ生きているし、島の人たちを愛する大きな器も持っている……。
そんな海心を拒否するけど、自分にないものを持つ彼のまっすぐさにどんどんのめり込んでしまった、というのが愛の心の流れなのかな、と思います」
国上「数々の浮き名を流してきたなかで、愛さんと出会った海心。愛さんの気持ちがこちら側になびかず、『いつものようにいかないぞ 』と感じたはずです。のちに、愛さんが心を閉ざした理由を知るのですが、その話を聞いた人のなかには『もう関わりたくない』と思う人もいると思うんですよ。ただ、愛さんが、そう思わせないほど、『一緒にいたい』と思う魅力を持っていたんだと思います」
―――本作は、愛と海心のドキドキシーンがございます。どう作り上げていったのでしょうか?
西銘「(国上も)同じ感覚だと思うのですが、ドキドキのシーンは、自分たちも緊張するくらい、じわじわしていきました。見てくれている方も『くるよね? くるよね?』と心踊る『間みたいなものは、お互い感じあっていたと思います。キュンキュンが求められるシーンでは、特に間をたっぷり使っていた印象がありますね」
国上「とにかく僕はがむしゃらでした。初めてのことばかりで難しいこともあったんですけど、ふたりで話し合ったり、撮影を進めたりしていくなかで、感覚を掴んできた印象があります」
島での同居生活で見えたお互いの意外なギャップと魅力
―――お互いのファンに教えたい、相手の意外な一面を教えてください。
西銘「(国上は)しっかりしているイメージがあるじゃないですか。けど、めちゃめちゃ天然でドジっ子ですよ。僕たち島では、愛の部屋で一緒に寝泊まりしていたんですけど、あそこって、扉の前にもう一枚透明な扉があるんです。ある日の夜、その透明な扉を(国上が)閉めて寝たんですが、翌朝6時くらいにドン!って音がして……。飛び起きたら、その透明の扉にぶつかっていました。自分が閉めたのに(笑)!」
国上「これ、隣の隣の部屋にいたスタッフさんまで、音が聞こえたらしいです(笑)。最初『ヤバい。割れた!』と思ったんですけど、なんともなかったんで安心しました。本当に焦りました」
―――アハハ!
国上『ファンの皆さんは、(西銘に)どういうイメージを持っているんだろうな〜』
西銘『皆さんからは『孫』って言われてるよ。僕のファンネーム『祖父母』だから』
国上『そうなんだ。面白っ!』
西銘「中学生の女の子にも孫だと思われてる(笑)。」
国上「だとすると、めちゃくちゃちゃんとしているかもしれないですね。もちろん面白い部分もあるのですが、しっかりしていますし、きれい好きです。部屋の整理整頓もしてくれて、お皿も洗ってくれて、常に部屋の美しさを保とうとしてくれていたので、すごく助かりました」
西銘「マネージャーさんからすると、しっかりしていないイメージがあると思う。普段はそんなことしないけど、共有の場所だからやってただけだよ(笑)」
―――最後に、「映画チャンネル」にご登場いただいたということで、お2人の好きな映画を教えてください。
西銘「『グリーンマイル』(2000)が大好きなんですが、本当に泣きすぎて自分が終わるかも”と思いました。『僕ってこんなに泣けるんだ』と思わせてくれた作品が『グリーンマイル』です」
国上「あれは泣くよね。僕は『ナイトクローラー』(2015)です。あの世界観と雰囲気が好きで、何回も見ちゃいます」
【著者プロフィール:浜瀬将樹】
1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。
【関連記事】
・【写真】国上将大&西銘駿がかっこよすぎる…貴重なスペシャルグラビアはこちら。インタビューカット一覧
・映画史上最も美しい同性愛カップルは…? 映画・ドラマに登場するゲイカップル5選
・最も過激な日本の「R指定」青春映画は? 絶望感のある邦画5選
【了】