芸術か、猥褻か? 脚本どおりのリハーサル、でも本番では…? 映画『タンゴの後で』本編映像&著名人よりコメント公開

text by 編集部

19歳で出演した1本の映画『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)で人生が大きく変わってしまった女優マリア・シュナイダーの実話を基に描く『タンゴの後で』が、9月5日(金)より公開となる。今回、最も問題となったシーンのリハーサルの様子を描く本編映像が公開。さらに各界で活躍する著名人の方よりコメントが届いた。(文・編集部)

本番の撮影で女優にだけ知らされなかった変更とは?

2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT
2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT

 今回公開となった本編映像は、『ラストタンゴ・イン・パリ』で最も問題となったシーンのリハーサルの様子を描く場面だ。撮影の準備で忙しく動くスタッフたち、ストレッチをするマーロン・ブランド(マット・ディロン)、そして、カメラ横で「本番と同じように緊張感を出すように」と指示をするベルトルッチ監督が映し出される。

「アクション」の合図で軽やかに部屋に入ってくるジャンヌ役のマリア・シュナイダー(アナマリア・ヴァルトロメイ)は脚本通りにセリフを発し、相手役のブランドからの挑発的な言葉やセクシャルな接触を力強くはねのけ、部屋を出ていく。「完璧だ! 照明を変えて撮ろう」と監督の満足げな言葉とは裏腹に、その表情には企みの黒い影が浮かび上がっている。

 そして、本作の公開に先駆けて、映画やエンターテインメント、TV等の現場に携わる各界著名人からコメントが到着した。

【夏木マリ】
演技という名のもとに奪われた尊厳を、今、マリアの視点で感じる揺さぶり…

【映画監督:本木克英】
マリアが見たやり切れない闇が鮮やかに明かされ、胸に刺さる。彼女の怒りがどうか届いてほしいと、今こそ願う。

【作家:山崎ナオコーラ】
マリアの痛みがひしひしと伝わってきた。
「誰もが尊厳を保って仕事に臨める世界に変えたい」
観終わった後、そう強く思った。

【ドキュメンタリー映画監督:坂上香】
〈マリア〉は過去じゃない。消費され、断罪され続ける〈マリア〉たち。マーロン・ブランドの「たかが映画だ」に返すよ、「クソくらえ!」

【作品情報】
監督・脚本:ジェシカ・パルー
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ『あのこと』、マット・ディロン『クラッシュ』、ジュゼッペ・マッジョ、イヴァン・アタル、マリー・ジラン
2024年/フランス/フランス語/102分/カラー/5.1ch/PG-12(暴力描写や性的描写が含まれます)/原題:Maria/
英題:Being Maria/日本語字幕:岩辺いずみ/原作:「あなたの名はマリア・シュナイダー:「悲劇の女優」の素顔」(早川書房・刊)/
協力:CHANEL/配給:トランスフォーマー
2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT
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