観なきゃよかった…Netflix配信中の“胸糞映画”(2)見知らぬ異性と強制接合…悪夢すぎるホラー作品は?
事故や陰謀、欲望や格差など、現実の延長線上に潜む悪夢をリアルかつ容赦なく描き出す“胸糞映画”。観終わったあとにスカッとするどころか、しばらく重い感情を引きずってしまう…そんな後味の悪さこそが、このジャンルの真骨頂だ。今回は、Netflixで配信中の5作品をセレクト。それぞれの魅力を紐解いていく。第2回。(文・灸 怜太)
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『Two』(2021)
監督:マル・タルガローナ
出演:パブロ・デルキ、マリナ・ガデル
【作品内容】
気がつくと、ベッドの上でお互いに知らない男女が裸で抱き合っていた。なぜこんなことになったのかまったく思い出せない。体を離そうとすると、鋭い痛みが走る。
お腹のいち部分が誰かの手によって縫い合わされており、ふたりは離れることができなくなってしまっていたのだ。お互いのことを疑りながらも素性を話しあい、この異様な状況からの脱出と、ふたりをこんな目にあわせた真犯人が誰なのかを探っていく。
【注目ポイント】
前代未聞の縫い合わせ系ホラーである。いきなり素っ裸で、素性も知らない異性と体の一部が接合されて離れられない状況というのは、数あるワンシチュエーションものの中でも最悪クラスの設定だ。
しかも主人公のふたりは、それなりに紆余曲折を経てきた中年男女であるため、ほぼ全裸でありながらエロスというよりもリアルな生々しさが漂ってくる。ふたりがなんとか立ち上がって最初に行うトイレの場面など、精神的にも嫌悪感を催す描写が満載である。
物語は、なんとかお互いの体を切り離そうともがく血まみれの描写と、部屋に飾ってある絵や小物などから犯人像を探っていくミステリー要素が同時進行する。生まれながらにして繋がっている「結合双生児」が謎解きの鍵となるのだが…。
伏線は多いものの回収は中途半端で、ラストでぼんやりと判明する犯行動機は狂っているとしか言いようがないほど最悪である。アーティスティックなムードも漂わせてはいるが、胸糞レベルの高い作品だ。
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【了】