夏の恋の三角形が崩壊? ナ・イヌ“ソハ”の幸せを願わずにはいられないワケ。『初恋DOGs』第8話考察&感想【ネタバレ】
清原果耶主演のドラマ『初恋DOGs』(TBS系)が放送中だ。TBSが韓国の制作会社STUDIO DRAGONと初タッグを組んだ本作は、愛犬同士の一目ぼれから始まる、こじらせ大人3人の国を越えたラブストーリー。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 感想 レビュー】
——————————
恋愛強者が路線変更
思わず快(成田凌)にキスをしてしまった愛子(清原果耶)は、自身の行動を「反射」と即座に言い訳。快が「異性として…」なんて言ってくれていたのに、そのチャンスをみすみす逃してしまった。
そんなことがあったのを、快の様子だけで敏感に感じ取るソハ(ナ・イヌ)。これぞ恋愛強者だと見せつけてくる。ソハは快のことを「ヒョン(韓国語で“兄貴”の意味)」と呼ぶけれど、快はじれったくてかわいくて、ソハは頼りになる。どちらかといえばソハのほうが兄貴っぽい。
ソハは愛子と快の背中を押すことに完全にシフトした。前回、週刊誌に撮られてしまったことで自分が周囲に迷惑をかけてしまう可能性を改めて実感させられたのも大きいだろうし、優香(深田恭子)が2人の仲を取り持とうとしている様子を見せたことも理由の1つだろう。
いまは家族から距離を取っているとはいえ、韓国では注目度の高い御曹司、ゆえに強いられる我慢。ソハはこれまでに一体どれだけのことを自ら手離してきたのだろうと思うと、ソハが笑うたびにどんどん切なくなる。
せめて好きなだけ日本にいて、愛子や快との生活を送れたらいいのに。
快(成田凌)の動物病院がピンチに
しかし、ソハはそれすらも許されなかった。長年の夢だった動物たちの保護施設が寄付を受けられることが決まった矢先、快の動物病院に誤診疑惑が持ち上がる。病院の口コミは荒れ、さらには別件で農林水産省までが視察にくる始末。当然、患者たちからのキャンセルも相次いでしまった。
一体何が起きているのか、ソハがヨンス(ジン・デヨン)に調べさせたところによれば、どうやらソハを韓国に連れ戻したいというウロアグループの目論見に、快が利用されているという。しかも、愛子が所属する弁護士事務所の所長・本澤(岸谷五朗)や快の大学時代の親友である相楽(森崎ウィン)も自分たちの目的のために手を組み、そこに乗っかっている。
本澤を演じる岸谷も、相楽を演じる森崎も、もはや気持ちがいいくらいの悪役っぷりだ。しかし、コソコソ顔を突き合わせて話す様子を愛子にも目撃されていた。何かが起きている、と勘づく愛子だったが、ソハの決断は早かった。
動物たちのことを1番に考える快は、動物や同僚たちに害が及ばないようにと、病院を相楽に売ることを選択肢として持とうとしていた。経営者としては、きっと正しい判断だろう。
それを聞いていたソハは、快に「負け犬」などと心にもない手厳しい言葉を浴びせ、快の家を飛び出す。“ただのソハ”のままでは、今回の騒動は止められない。そう悟ったソハは、これまでのカジュアルな装いからスーツに着替え、ヨンスとともに韓国へ帰ってしまった。
ソハ(ナ・イヌ)の幸せを願わずにはいられないワケ
寄付を受けられることが決まり、嬉々とした様子の快を見て「働くっていいなあ」と呟いていたソハ。本当ならば、ソハが心からそう思える仕事に出会えるまで、もう少し時間が欲しかった。
一度は離れたウロアグループの中へ舞い戻るソハは、大事な仲間たちを守るためという使命感を抱いているとはいえ、果たして働くことを楽しめるだろうか。
夏の恋の三角形の一端を担う、いわゆる“当て馬”かと思っていたソハだったが、ここへきて愛子と快の恋のアドバイザーで、快たちの暮らしを守るヒーローみたいだ。
おいしいところを全部持っていくソハだが、このドラマは彼の持つ苦しみも丁寧に描いてきた。だからこそ、できることなら幸せになってほしいのだ。どうか自分だけを犠牲にするようなやり方はしないでほしい。
まずは、韓国へ乗り込むという愛子と快が、ソハに無事に会えることを願うしかない。
【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
【関連記事】
・【写真】…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『初恋DOGS』第8話劇中カット一覧
・成田凌“快”に思わずキス…清原果耶“愛子”の殻が破れたと感じたワケ。ドラマ『初恋DOGs』第7話考察&感想
・成田凌”快”の素直さに、ナ・イヌ“ソハ”の告白…三角関係に期待が高まるワケ。『初恋DOGs』第6話考察&感想
【了】