「壮絶すぎる…」吐き気がするほどリアルな戦争映画(1)。若き兵士の決死行…全編ワンカット風に描いた意欲作
text by 編集部
ロシアがウクライナに侵攻して1年が経った。ほとんどの人が、戦争は二度としてはいけないことだと考えているだろう。しかし我々の世代は自ら経験したわけでもなく、どこか自分には関係ないことだと思っているはずだ。だが、知らないからこそ学ばなくてはいけない。今回は見るのも辛いが、多くの人に知ってほしいリアルな戦争映画を紹介する。
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若き兵士の決死行を全編ワンカット風に描いた意欲作
『1917 命をかけた伝令』(2019)
原題:1917
製作国:イギリス・アメリカ合作
監督:サム・メンデス
脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
キャスト:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング
【作品内容】
第一次世界大戦末期のフランス。ドイツ軍の突然の退却が罠であると感じたイギリス軍のエリンモア将軍は、若き兵士スコフィールドとブレイクにある命令を下す。それは、退却するドイツ軍を猛追するマッケンジー中佐に、作戦の中止を命じるというものだった。通信手段が断たれた中、二人は命がけの旅に出る―。
【注目ポイント】
本作は、第一次世界大戦下の“伝令”をテーマに、二人の兵士の一日を描いた作品。スコフィールド役は『マローボーン家の掟』(2017年)のジョージ・マッケイ、ブレイク役は『リピーテッド』(2014年)のディーン=チャールズ・チャップマン。監督は『アメリカン・ビューティー』(1999年)のサム・メンデスで、第一次世界大戦に従軍した彼の祖父の逸話が基になっている。
本作最大のポイントは、なんといっても全編がワンカット(風)に撮影されていることだろう。これにより、戦場を駆け抜けていく二人の1日を画面を通してリアルタイムに「体感」できるのである。
また、死屍累々と積み重なる兵士の遺体や墜落する飛行機など、ディテールの描写も実にリアル。本物の戦争のドキュメンタリーと見まごうようなリアリティあふれる作品に仕上がっている。
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