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「マンネリ化してる…」ウェス・アンダーソン監督作品に対する批判の声を紹介。独創性は失われてしまったのか?

text by 編集部

『グランド・ブダペスト・ホテル』『ダージリン急行』『犬ヶ島』など数々のユニークな映画を生み出し続けているウェス・アンダーソン監督。彼の世界観を体現したような風景写真を集めたインスタコミュニティが人気を博している。そんな彼の作品だが、一部で「反復的すぎる」との声が上がっているようだ。早速、現地のメディアをもとにその詳細を見ていこう。

独創的な映画監督、ウェス・アンダーソンの評価とは?

ウェスアンダーソン監督2022年イタリアローマにてGetty Images

現存する最もユニークな映画監督の一人であるウェス・アンダーソン。言わずと知れた世界的名匠だが、熱狂的なファンもいれば、その作品世界を酷評する人も存在し、万人ウケする作品とは言い切れないのも事実だ。

とはいえ、彼の作品は170万人を超えるフォロワーを誇る人気インスタコミュニティ『Accidentally Wes Anderson(AWA)』を生み出し、アメリカでは書籍化もされ、ベストセラーとなっている。

米colliderによると、彼の作品はしばしば映画批評家から賞賛され、アカデミー賞にも多数ノミネートされるが、一方で彼の演出方法や、ストーリー内容に対する一部の視聴者からの不満はなかなか消えないようだ。

思い返すと、ウェス・アンダーソン監督は、映画監督としてのキャリアをスタートさせた当初から賛否両論を引き起こしてきた。彼の最初の作品である映画『bottle rocket(原題)』(1994)には多大な期待が寄せられたが、この作品は興行的には失敗に終わり、批評面の評価も芳しいものではなかった。

しかし彼は、自身の映画的ビジョンを極め続け、2001年の映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で成功を収め、アカデミー賞脚本賞にノミネートを果たす。細部へのこだわりや、思い切った奇抜さが盛り込まれた同作は、ウェス・アンダーソン監督の世界観を多くの観客に知らしめることに成功した。

その後、新作を発表するたびに彼の個性は強まり、ファン層が広がると同時に、ウェス・アンダーソン監督作品にある種の倦怠感も漂うようになった。批判者の多くは彼の映画を「繰り返し製作されている同じような作品」と考えるが、言うまでもなくユニークな映画的美学を一貫して保ち続けることは簡単ではないだろう。

新作発表のたびに作品のトーンが変化するという点についても、独創性が欠けているというより、むしろその逆といえるだろう。ウェス・アンダーソン監督のテーマの最大の焦点となっているものは家族関係。その他にも片思いや、青春、死、移民、子供時代など多くのテーマを探求している。

また、強盗映画に、水族館をテーマにしたアドベンチャー、殺人ミステリーなど、常に観客に新しいジャンルを提供している。定番ストーリーの展開の中、異なるジャンル、テーマを開拓するという、一貫して自己改革を続けるその才能と技術を過小評価されている部分が多い。

ウェス・アンダーソン監督の映画は、一目で彼の作品だと気づくことができる。それは決して悪いことではなく、彼の作品がいかに記憶に残るユニークなものであるかを示しているのだ。

また『Accidentally Wes Anderson(AWA)』は、『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』として2023年4月5日(水)~ 5月26日(金)の間に、東京・天王洲 寺田倉庫G1ビル(所在地:東京都品川区東品川2丁目6‐4)にて展覧会を開催中だ。

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