カンヌ映画祭で最もスタンディングオベーションが長かった作品とは? 最長時間は「22分間」。ブーイングを受けた名作も紹介
世界に数多ある映画祭の中でも、知名度の高さで言えば「カンヌ国際映画祭」の右に出る者はいないだろう。そんな同国際映画祭の定番といえば、スタンディングオーベーションだ。今回は、米colliderの記事を参考に、今までで一番スタンディングオーベーションの時間が長かった作品を紹介する。
最長時間なんと22分!?
最も長いスタンディングオーベーション作品は?
今年のカンヌ国際映画祭は、ウェス・アンダーソン監督の映画『アステロイド・シティ』、トッド・ヘインズ監督の映画『May December(原題)』、アキ・カウリスマキ監督の『Fallen Leaves(原題)』など期待作が目白押し。
さらに、ピクサーの『マイ・エレメント』、マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』、ジェームズ・マンゴールド監督の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』などコンペティション部門以外の映画にも注目作が揃い、熱い視線を集めている。
75年間にも及ぶ映画祭の歴史を振り返ると、これまで、『第三の男』、『パラサイト 半地下の家族』、『タクシードライバー』、『パルプ・フィクション』など、映画史に残る名作が最高賞であるパルムドールを受賞してきた。
由緒あるカンヌ国際映画祭の伝統の中でも、最もポピュラーなのはスタンディングオベーションだろう。映画祭の花形であるコンペティション部門では、上映後に何分も立ち続け、手が赤くなるまで拍手し続ける人々の姿が見られる。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』のような社会問題にメスを入れるドキュメンタリー作品や、サイレント映画の形式を現代に蘇らせた『アーティスト』などは、カンヌ映画祭の中でかなり長いスタンディングオベーションを獲得した作品だ。
カンヌ国際映画祭史上最も長いスタンディングオベーションを浴びたのは、ギレルモ・デル・トロ監督のダークファンタジー映画『パンズ・ラビリンス』。その時間はなんと「22分間」。その間、短編映画が上映できそうだ。
ちなみに、この年のパルムドールは、ケン・ローチ監督『麦の穂をゆらす風』に渡ったが、『パンズ・ラビリンス』はアカデミー賞3部門をはじめ、数多くのトロフィーを獲得し、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作と並び、ファンタジー映画の最高傑作として今でも語り継がれている。
デル・トロ監督のキャリアはその後急上昇し、美しいプロダクションデザイン、感動的なストーリー、そして限りのないイマジネーションで、その後も刺激的な作品を作り続けている。
しかしながら、スタンディングオベーションによる感情表現はポジティブな方向だけでなく、ネガティブな方向へ向かうこともある。
例えば『パルプ・フィクション』はパルムドール受賞時にブーイングを受け、『タクシードライバー』は上映時にブーイングが飛び交ったことで有名だ。両作ともパルムドールを受賞し、映画史上の名作として世界中の映画ファンに愛されているということは周知の事実だ。
つまるところ、スタンディングオベーションの時間が長ければ長いほど、その作品のクオリティが高いとは一概にも言えないのだ。とはいえ、毎年カンヌ国際映画祭のシーズンになると、会場でどのくらいの拍手喝采が起きたのかが必ず話題になる。今年最も会場を沸かせる作品は一体どの映画なのか。興味は尽きない。
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