まるでプロレス!? 大爆裂…ちゃんとファイヤーでブーストします! 『ワイスピ/ファイヤーブースト』 忖度なしガチレビュー
text by 灸 怜太
映画『ワイルド・スピード』シリーズの10作目となる『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が公開中だ。ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲスをはじめとしたファミリーに立ちはだかる最強の敵とは? 本作は面白い? つまらない? 忖度なしのガチレビューをお届けする。(文・灸 怜太)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
大人気シリーズの10作目
マンネリ化を乗り越えることはできたのか?
20年以上も爆走を続けてきた『ワイルド・スピード』(以下『ワイスピ』)シリーズも10作目となり、いよいよ最終章に突入。ドミニク・トレットと、そのファミリアたちの宿命のドラマ、そして常軌を逸したド派手なカーアクションが、ファンの期待を超える特大スケールでクライマックスを迎える。
アクション映画の巨大フランチャイズとなった『ワイスピ』シリーズは、熱狂的なファンを生み出す一方、どれも同じで空疎な娯楽作としてマイナス評価されることもある。
ドムと、そのファミリーたちにミッションが下され、そこに強大な敵が立ちふさがる。そして仲間が裏切ったり、生き返ったりしながら世界を巡り、そのすべてをクルマで爆走することで解決してラストはBBQ…。
確かに偉大なるマンネリと言われればそうかもしれないが、それでも『ワイスピ』は毎回、新キャラクターと因縁のドラマを盛り込み、アクションの物量、アイディアをスケールアップさせて、自ら設けた高いハードルを超えてきた。
さらにスクリーンの内外で起こった不足の事態を乗り越え、2~3年に1本という制作ペースを維持しながらシリーズを創り続けてきたスタッフ・キャストの情熱とプロ意識は驚嘆に値する。