アニメ冒涜の改悪…大失敗のディズニー実写映画(4)物語が最悪、名演台無し…「全員悪人」な世界観にガッカリ
ディズニーアニメの実写化は公開される度に話題を集める。しかし、中には、ファンから不満の声が挙がる作品も少なくない。ディズニーには長く充実した歴史があり、当然のことながら古参ファンも多い。今回は、そんなファンたちの期待を裏切ってしまった、残念なディズニー実写作品を5本厳選してご紹介する。
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先の読めるストーリーに困惑するファン続出
「全員悪人」な世界観に賛否が分かれる
『マレフィセント』(2014)
監督:ロバート・ストロンバーグ
脚本:ポール・ディニ、リンダ・ウールヴァートン
出演者:アンジェリーナ・ジョリー、シャールト・コプリー、エル・ファニング、サム・ライリー、ジュノー・テンプル、ミランダ・リチャードソン、イメルダ・スタウントン、ブレントン・スウェイツ
【作品内容】
アニメ『眠れる森の美女』を、邪悪な妖精マレフィセントの視点で描き、アニメでは語られなかったマレフィセントとオーロラ姫の間にある隠されたストーリーが語られる。マレフィセントはなぜオーロラ姫に呪いをかけたのか…?
『アバター』『アリス・イン・ワンダーランド』のプロダクションデザインでアカデミー美術賞を受賞したロバート・ストロンバーグがメガホンをとった。マレフィセント役に、アンジェリーナ・ジョリーが抜擢し話題となった。
【注目ポイント】
本作は、オリジナルアニメでは完全な敵役だったマレフィセントの、悲しい過去にフォーカスを当てたものになっているが、その内容に対するディズニーファンの評価は決して高いとは言えない。
「実はマレフィセントは可哀想な妖精だった」という、ヴィランにもファンをつけようとする狙いが見え見えのシナリオ。彼女を持ち上げようとするあまり、その他の登場人物には一癖も二癖もあるキャラクターが配されており、言葉を選ばずに言うと、性格の悪いキャラクターばかりが集まっている、という印象を受ける。
また全体的に暗い雰囲気なのも、華やかな世界観を好むディズニーファンを困惑させるポイントだ。特に『眠れる森の美女』はディズニー史上最もロマンチックなラブストーリーの一つとして認知されている。もちろんファンだって、同作のスピンオフであり、ヴィランがメインの作品にそこまでメルヘンな世界観は求めていないだろうが、それにしてもダークすぎる。
一方、ビジュアルもピッタリのアンジェリーナ・ジョリーをマレフィセント役に起用したことは、作品を魅力的にする上でも、話題作りにおいても大成功ではないだろうか。とはいえ、彼女の演技に甘えすぎたためか、肝心のストーリーは観ていて予想がつくような展開が続き、観終わった後に、心に残らない。名女優の素晴らしいパフォーマンスをいまいち活かし切れていないという点でも残念な作品だ。
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