アニメ冒涜の改悪…。大失敗のディズニー実写映画(5)。もはや怪奇現象…ファンを愕然とさせた”召使い”たち
ディズニーアニメの実写化は公開される度に話題を集める。しかし、中には、ファンから不満の声が挙がる作品も少なくない。ディズニーには長く充実した歴史があり、当然のことながら古参ファンも多い。今回は、そんなファンたちの期待を裏切ってしまった、残念なディズニー実写作品を5本厳選してご紹介する。
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オリジナルアニメの支持率が高すぎてハードルアップ
賛否両論の的になった”顔が怖すぎる召使いたち”
『美女と野獣』(2017)
監督:ビル・コンドン
脚本:スティーヴン・チョボスキー、エヴァン・スピリオトポウロス
出演者:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス、ケヴィン・クライン、ジョシュ・ギャッド、ユアン・マクレガー
【作品内容】
魔女の呪いによって野獣の姿に変えられてしまった美しい王子。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらが全て散る前に誰かを愛し愛されること。そんな絶望な日々に光を与えたのは、聡明で美しい女性、ベルだった…。
『グレイテスト・ショーマン』で脚本を務めたビル・コンドンがメガホンをとり、『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンを主演に抜擢。アリアナ・グランデ&ジョン・レジェンドが新たにレコーディングした主題歌「Beauty and the Beast」も話題となった。
【注目ポイント】
本作の日本国内における興行収入は驚異の124億円。2017年の年間興行収入1位という素晴らしい興行成績を残している。大ヒットの背景には、そもそもオリジナルアニメの人気が高く、「ついに実写化!」と胸を躍らせ、映画館に駆け付けたディズニーファンが多かったことが挙げられるだろう。
それに加え、『ハリー・ポッター』シリーズでヒロインを務めるなど、若年層から絶大な人気を誇るエマ・ワトソンを主演に起用したこともヒットに貢献しただろうことは想像に難くない。
目に見える形で結果を残した本作。一方、期待値を上げすぎたファンの中には、粗探しのように残念なポイントが目につき、内容そのものは諸手を挙げて肯定できない、という人も多かったようだ。
アニメ版の再現度という点では健闘しており、高揚感のあるエンディングには観客を引き込む力がある。しかし、違和感を与えるポイントも。その一つが、野獣と同じように呪いによって姿を変えられた召使いたちのビジュアルだ。
実写になった分、キャラクターから可愛らしさが消えてしまっているのだ。例えば、魔女によってティーポットに変えられてしまったポット夫人。アニメ版では、立体感のあるチャーミングな顔に造形されている。しかし、実写では、リアルな人間の顔をポット本体に印字するような形で、のっぺりと造形されており、可愛らしさよりも不気味さが際立つ。
そんな顔で見つめられたら、とてもじゃないが野獣とのダンスにうつつを抜かすことなどできやしない。ベルも緊張するだろう。他のキャラクターに目を転じても、ただのクローゼットやピアノたちが激しく動き回っているシーンなどは、見方を変えるとちょっとした怪奇現象である。
総じて完成度が高く大ヒットした作品ではあるが、ファンたちを愕然とさせ、子供たちをビビらせてしまうような細部が散見できる作品だ。
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