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史上最高の昭和アニメ実写化は? 大成功の日本映画5選。素晴らしい再現度…。時代を彩った懐かしの名作が蘇る

text by 高梨猛

多くの少年少女を沸かせた懐かしの昭和アニメ。スポーツ少年や魔法少女などの主人公と自分を重ねた人も少なくないだろう。今回はブラウン管から飛び出して、実写映画化した作品を5本セレクト。失敗が宿命づけられていると言っても過言ではない、アニメの実写化をあの手この手で成功に導いた労作ばかりを揃えた。(文・高梨猛)

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グルメ漫画の金字塔
実の親子共演で関係性がリアル

『美味しんぼ』(1996)

佐藤浩市
佐藤浩市Getty Images

原作:雁屋哲(原作)、花咲アキラ(作画)
監督:森崎東
脚本:丸内敏治、梶浦政男
出演:佐藤浩市、羽田美智子、三國連太郎

【作品内容】

陶芸家で美食家の海原雄山(三國連太郎)を父に持つ山岡士郎(佐藤浩市)は、『東西新聞』文化部の記者。士郎と父の間には確執があった。

士郎は新しく配属されてきたゆう子と「究極のメニュー」という企画の記事を担当することに。するとライバル社が海原雄山と共に「至高のメニュー」を企画。

こうして因縁の親子・美食対決が始まる…。

【注目ポイント】

日本を代表するグルメコミックの金字塔。1988年にスタートしたアニメ版もロングヒットし、いまもネット配信サービスなどで根強い人気を誇っている。

テレビドラマなど、実写化作品はいくつかあるが、映画版は1996年に公開。東西新聞社創立100周年の記念企画「究極のメニュー」の担当となった山岡士郎と、その父親である海原雄山が監修する「至高のメニュー」が競い合う「究極VS至高」を軸に、本編のエッセンスを凝縮して描く。

レビューサイトなどでも、軒並み高得点となっている実写映画版『美味しんぼ』。日本の食文化にも多大な影響を与え続けている作品だが、その軸となるのは「究極VS至高」、そして山岡士郎と海原雄山の親子の確執だ。

この最重要ポジションに山岡士郎=佐藤浩市、海原雄山=三國連太郎という実の親子をキャスティングした時点でほぼ勝ち確。

撮影当時は実際に親子間にわだかまりがあったという逸話が作品に真実味を加えている。

佐藤浩市は少しヤサグレ気味で、原作初期の山岡の雰囲気アリ。対する三国の海原雄山は、原作のイメージから比べると枯れ気味だが、それでも演技力と静かな迫力で納得してしまうから凄い。

サブキャラの配役もなかなかのもので銀座で残り物を漁る「たっつぁん」役に田中邦衛、煮豆のくだりで登場する「トメ」役の樹木希林など、ワンポイントリリーフながら強烈な印象を残す。

映画では「究極VS至高』の第3回戦を前に終わるが、シリーズ化して続編が観たかったといわれる作品だ。

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